「もしも、あの人とそんな仲になれるのなら」そんな“妄想”を声に出していただく今企画。もはや殿堂入りともいえる人から意外!?な人がランクイン。「高嶺の花」か「嫌い嫌いも好きのうち」なのか……。あなたの推しは誰ですか?

【一覧表】抱かれたい・癒されたい男ランキングをチェック!

前回2位から1位の座に

 2年ぶりとなる、週刊女性恒例の「抱かれたい男」ランキング

 今回は、20代から50代の女性2000人を対象に、「抱かれたい」と思う男性芸能人、「癒されたい」と思う男性芸能人、「抱かれたくない」と思う男性芸能人の3部門を調査。

 はたして、どんな男性芸能人が女性たちのハートを射抜いているのか!?

 女性読者の赤裸々な意見&本音とともに、ドラマウォッチャーでコラムニストの吉田潮さんの分析を交え深掘りします!

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 セクシーだと思う、色気がある、カラダが好き……そんな魅力を感じる男性芸能人は誰ですか?と尋ねた「抱かれたい男」ランキング。その栄えある第1位に輝いたのは、

「色気があって背も高くてカッコいい」(49歳・北海道)、「エロボイスがたまらない」(35歳・広島県)、「とにかくセクシーなところ」(36歳・宮崎県)

 といった声を集めた斎藤工(40)。2年前のランキングでは2位だっただけに、1位の座を奪い取った格好だ。

「やはり、'14年放送の『昼顔』効果が健在なのでしょう」とは、コラムニストの吉田潮さん。

「セクシーといえば斎藤工というイメージが定着しているんだろうなと。

 アンケート調査をしていた時期、主演を務めたドラマ『ヒヤマケンタロウの妊娠』の配信がNetflixで始まっていた。

 男性が妊娠してしまうというストーリーなので、セクシーさとは縁のないドラマですが、それでも1位になってしまうのは、『昼顔』の効果が大きいことを物語っている」(吉田さん)

 また、話題の映画『シン・ウルトラマン』でも主演。露出度と話題性の相乗効果もあるのだろう。

 そして、次点は、“おディーン様”ことディーン・フジオカ(41)だ。

「大人の色気があってカッコいい」(25歳・広島県)、「とにかく美しい」(42歳・愛知県)、「ミステリアスな感じが好き」(31歳・岐阜県)、「顔!」(24歳・滋賀県)

 といった意見が寄せられたように、色気、イケメン、知的などなど非の打ちどころがない“パーフェクト超人”っぷりが人気を集めた。

「“おディーン様”は、欲情させるような役を演じてきているわけでもなければ、昨今は子どもがいるお父さんの設定という役も少なくない。

 しかも、身体の露出も少ない。にもかかわらず2位にランクインするあたり、イケメンは正義ということでしょうね」(吉田さん)

 ディーン・フジオカに負けず劣らずの“顔面国宝級”・佐藤健(33)が3位という結果に鑑みても、「カッコいいから抱かれたい」と考える女性は少なくないもよう。その理由も、「イケメンだから」(28歳・静岡県)、「カッコいいから」(41歳・兵庫県)、「顔が好き」(50歳・大阪府)というようにストレート。

「映画『るろうに剣心』ではアクションを、'20年放送の『恋はつづくよどこまでも』では超ドSなエリート医師をというように、役の幅も広く、何でもこなせるというあたりが、幅広い支持層につながっているのでは」(吉田さん)

 佐藤健は、前回の「抱かれたい」王者。結果的に、首位から陥落こそしたが、世代を超えて「カッコいい」と評価されるあたりはさすが。

 そういう意味では、4位・竹野内豊(51)、5位・木村拓哉(49)、6位・福山雅治(53)といった“抱かれたい常連たち”の盤石さも見逃せない。「もはや殿堂入りにしたほうがいい」と、吉田さんは指摘する。

「あなたが選ぶクリスマスソングは?と聞かれて、山下達郎を挙げるのと同じですよね。『抱かれたい男ランキング』における木村拓哉や福山雅治は、定番のような存在」(吉田さん)

 一方、年代別で見ると、20代の票を最も集めたのが、田中圭(37)という意外(!?)な結果も。

 これには吉田さんも、「若い世代は、'19年の『あなたの番です』をよく見ていたというから、その影響なのかも。でも、彼も最近は父親の役を演じていたりするからセクシーが先行している感じはしない」と首をひねる。

「今回の抱かれたい男ランキングは票差もあまりないし、“特にいない”という回答も目立っていた。

 “抱かれたい”ということに対する女性の感覚が、曲がり角を迎えているのかもしれない。受け取り方が、人それぞれという印象を受けます」(吉田さん)

全世代で1位を奪取

 続く、「癒されたい」と思う男性芸能人ランキングは、「一緒にいるだけで落ち着く人は?」、「元気になると思える人は?」といった点を加味して回答を募ったところ、なんと全世代が中村倫也(35)を激推し!

 2位とはダブルスコアに近い圧倒的強さを見せつけた。

「ゆるっと、ふわっとしていて癒される」(50歳・富山県)、「顔がかわいい」(22歳・長野県)、「優しい声と優しい雰囲気に癒されたい」(40歳・神奈川県)、「うさぎみたいで一緒にいたら楽しそう」(33歳・千葉県)

 こうした意見が並ぶ中、吉田さんも、

「中村倫也の1位は納得。いろいろな中村倫也像があると思うのですが、大和ハウスのCMの影響が強いのではないか」

 と分析する。同CMは、中村倫也が気弱な夫を演じ、上野樹里が妻を演じるというもの。

「子犬のような顔とリンクするチャーミングな言動もあって、癒されるだけではなく、逆に女性が“守ってあげたくなるような存在感”こそ、中村倫也の魅力でしょう。一緒にいるということを想定したとき、彼のかわいらしさは唯一無二」(吉田さん)

 また、2位の千葉雄大(33)に対しても、

「かわいい!存在自体が癒し系!」(32歳・岡山県)、「かわいいからそばにいてほしい」(28歳・滋賀県)、「かわいいのプロ。見ているだけで癒される」(29歳・東京都)

 などの「かわいい」支持票が多く、癒し的な要素に“かわいらしさ”が不可欠であることを示唆している。

「WOWOWで伊藤沙莉とともに映画について語っていたのですが、セレクトする映画がことごとく女子ウケの良いものばかりで、この人はホントに女性と話が合うだろうなと思ったほど(笑)。また、田中圭とMCを務める『MUSIC BLOOD』(日テレ系)でも、とても聞き心地の良い話し方をしていて、長い時間を一緒に過ごせるような雰囲気を感じさせる」(吉田さん)

 続いて3位にランクインしたのは、

「優しそうな笑顔に癒されたい」(39歳・千葉県)、「ソフトな雰囲気と優しい口調がいい」(51歳・東京都)、「落ち着いていて知的な感じがするので安心感がありそう」(32歳・青森県)

 といった支持を集めた坂口健太郎(30)。読書好きとして知られる知性派で、ドラマの現場でも共演女優がその魅力に惹かれると評判だ。

「癒されたい」ランキングに関して吉田さんは、「当分は変わらないのでは?と思わせるような3強」と話す。

「このランキング全体にいえることですが、選ばれた顔ぶれを見るとフェミニンな感じというか中性的でかわいらしい人が選ばれている。それでいて、話しやすそうで友達的な要素がある。特にトップ3は、少女マンガ原作のドラマなどと相性が良さそう。彼らが演じたらまったく違和感なく、少女マンガの世界を体現しそう」

 その一方で、『金魚妻』(Netflix)で体当たりの演技に挑みつつ、金魚店の優しい店長を演じた三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE・岩田剛典(33)なども躍進。「大人の落ち着きがある。包容力がありそう」(43歳・和歌山県)といった意見が寄せられた高橋一生(41)も、さすがの強さを見せた。

「このジャンルにおいて、高橋一生はブランド化していますよね。自分の美学を貫きながらも、女性に対して敬意を払うという彼が演じてきた役柄のイメージもあって、20代で彼を推す声は少ないですが、30代以上になると高橋一生票が積み重なっていく。癒されるとひと言でいっても、女性の願望が人それぞれだということを、このランキングは教えてくれます。

 性的な要因が強い“抱かれたい男”ランキングより、こちらのランキングのほうが“今っぽさ”が投影されている気がしますね」(吉田さん)

抱かれたくない男はルールを変えるべき?

 ある意味では、みなさんお待ちかね──ともいえる“抱かれたくない”ランキング。「この人とは付き合えない」「生理的に受け付けない」と思う人を挙げてみてもらったところ、抜群の安定感を誇るラインナップに。

「うるさいし、脂っこそうなので……」(41歳・京都府)、「嫌いではないけれど、抱かれたくはない」(33歳・新潟県)、「そういう星の下にいると思う」(52歳・福岡県)

 チャンピオンに輝いたのは、出川哲朗(58)。抱かれたくないレジェンドが、散々な言われようでぶっちぎりの1位を獲得した。そして、2位、3位にも容赦のない言葉が降り注ぐ。2位のアンガールズ・田中卓志(46)には、

「キモカワイイって言われているけど、キモのほうが圧倒的に勝っている」(37歳・埼玉県)、「頑張っているとは思うんだけど、やっぱり生理的に厳しい」(31歳・大阪府)、「最近、お金持っているキャラでキモキャラを隠そうとしているみたいでイヤ」(49歳・鹿児島県)

 そして、3位の安田大サーカス・クロちゃん(45)には、

「とにかくムリ!」(28歳・愛知県)、「あのかん高い声が無理だし、気持ち悪い」(35歳・栃木県)

 と、容赦のない言葉のつぶてが飛ぶ。しかし、この遠慮のなさこそ“抱かれたくない”ランキングならではだと、吉田さんは話す。

「縛りはないはずなのに、見事なほど芸人さんしかランクインしていない。つまり、
“芸人さんだったら言っても大丈夫だろう”、“芸人さんなら、おいしいと思うのでは”といった心理が働いている……いわば、“優しさでできたランキング”なんですよね。ですから、ここに“本当に抱かれたくない”という本音はないのでは(笑)」

 確かに、ほか2つのランキングより票数も多く、ある意味では“のびのび”と意見を書いていることがうかがえる。

「今後、このランキングのアンケートを取るなら、芸人さんは選考外にするなどのルールがないと、毎度のように芸人さんのみが名を連ねるランキングになると思う」(吉田さん)

 先ほど吉田さんは、「抱かれたい男」ランキングは曲がり角を迎えているのではと指摘したが、抱かれたくないも同様だと付け加える。

「“抱かれたい男” “抱かれたくない男”というくくりが、いつ炎上するかわからない時代ですよね(苦笑)。そうなると、本音も拾いづらくなる。“癒されたい男”にしっくりきたのは、そのランキングと意見に納得感があったからでしょう」

 時代とともに変遷してきた『抱かれたい男』ランキング。いろいろな意味で、新しい時代を迎えているのかもしれない!?

〈取材・文/我妻アヅ子〉

 よしだ・うしお ●コラムニスト。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆し、『週刊フジテレビ批評』のコメンテーターも務める。著書に『親の介護をしないとダメですか?』などがある