なんでこんな車名になっちゃったの?と思うクルマや、なんでこんなクルマが、あの名車の車名を受け継いじゃったの?と思うことはありませんか?

もっと他にふさわしい車名があるような気がしたり、ヘタに名車の威光にすがるよりは、モデルチェンジを機に思い切って車名も変えれば、また違った結果になっていたかもしれない…そんなクルマの中から、今回はトヨタ車の例を紹介します。

ブリザード(初代1980年/2代目1984年)

■ミニクルーザーやランドクルーザーミニで良かった気がする

トヨタ ブリザード(2代目)

30年以上前に販売終了したうえに、販売面でも地味なマイナー車だったため知らない人も多いと思いますが、かつてダイハツからOEM供給を受けていた小型クロカン4WDで、初代はタフト、2代目はラガーのOEMでした。

最初は新販売チャンネル「トヨタビスタ店」(現在はネッツ店に統合)開設と同時に目玉車種として登場、初代クレスタと並ぶ華々しいデビューを飾りましたが、6年前から売っていた本家ダイハツ版のタフト(初代)からして地味だったため、マイナー路線は避けられません。

それでもデザインは初代が40系、2代目が70系ランドクルーザーと似ていたので、後のFJクルーザーのような「○○クルーザー」や、プラドのような「ランドクルーザー○○」と名付けてランクル一族のフリをしていれば、あるいはもっとメジャーになれた気もします。

クラウンセダン(6代目・2001年)

■もともとクラウンはこういうクルマだったといえば、そうなのだが

トヨタ クラウンセダン(6代目XS10系)

クラウン史上もっともクラウンからかけ離れており、「クラウソセダソ」と呼ぶ人もいたクルマで、確かに前後デザインはそれまでの歴代クラウンを思わせたものの、実際はタクシーや教習車など業務用セダンのコンフォート派生車です。

フロントだけクラウンの「クラウンコンフォート」と、原型の「コンフォート」より高級なタクシー/ハイヤー向けで、スポーティーなアスリートを軸に保守層向けセダンからの脱却を図った本家より、ある意味クラウンらしいクルマとはいえ、中身は所詮コンフォート。

元をたどれば6代目X80系マークIIセダンがベースの古いクルマだった事もあり、「確かに見た目はクラウンだが、それでいいのか?」とネタ扱いされる事も少なくありませんでした。

ソアラ(3代目1991年/4代目2001年)

■いい思い出にしておくのって、大事ですよね?

トヨタ ソアラ(4代目)

高級パーソナルクーペとして大ヒットした初代と2代目に続く3代目ソアラが登場した時、あまりの変わりようにユーザーは目が点になりました。

確かに高級パーソナルクーペとはいえ、それまでの国内専用車と異なり世界戦略車のレクサスSCが3代目ソアラを名乗り、北米重視のヌメっとしたデザインは日本的な高級感からほど遠く、全く受け入れられなかったのです。

2001年にモデルチェンジした4代目ももちろんSC(2代目・ 2005年以降は日本でもレクサスSC430として販売)ですが、今度は電動メタルトップのクーペカブリオレ、もはやソアラらしさはカケラもなし!

どのみちRVブームとクーペ市場の縮小で販売激減は避けられなかったとはいえ、ソアラを名乗らずに「いつかソアラは復活するかも」と思わせてくれた方が、夢があってユーザーは救われたかもしれません。

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