異例の速さで梅雨明けを迎えましたが、雨に打たれた車を濡れたまま放っておくと、雨染みがついてしまいます。一度雨染みがついてしまうと簡単には落とせないことも。雨染みの落とし方をガソリンスタンドの洗車スタッフに聞いてみました。

汚れやミネラル成分が雨染みの原因に

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洗車後の水滴を拭き取らずに放置したら、白っぽく水垢のようなものがついてしまったという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか

車が濡れると、雨染みや水垢が白く残ってしまうことがあります。原因は、車に付着していた汚れや油分が、雨水と混ざるから。汚れを含んだ雨水が蒸発すると、汚れだけが白っぽい跡として残ってしまうのです。

また、雨水に含まれるミネラル成分も雨染みの原因となります。

こうした雨染みや水垢は、時間が経過すればするほど除去するのが困難です。水分と一緒に溶け出した汚れやミネラル成分がボディに残ったままだと、固着してしまいます。

ガソリンスタンドで洗車を担当している従業員に、洗車時に気をつけていることを伺いました。

「洗車で使用した水を拭き取らずにそのまま放置してしまうと、水垢として残ってしまうので、入念に拭き上げを行い、水滴が残らないように意識しています。

特に、炎天下の場所で車についた雨水を放置すると、汚れやミネラル成分が熱でボディに焼き付くような状態になります。

長時間放置することはもちろん、炎天下で放置したり乾かしたりすることは、雨染みや水垢が落ちにくくなるので、厳禁です。」

では具体的に、どのような対処法があるのでしょうか。

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・1.濡れたらすぐに拭き取る

時間が経過するほど、雨染みや水垢を落としにくくなってしまうことはさきほども述べたとおりです。そのため、「濡れたらすぐに拭き取る」が、汚れを落としやすくするための鉄則です。

しかし、走行中に雨で濡れた場合、すぐに拭き取るのは難しいでしょう。雨が降り続いていればまだ問題ないのですが、梅雨の時期にありがちなにわか雨や突発的な雨のあと、天気が回復した際の拭き取りがポイントです。

状況にもよりますが、雨が止んだら、車を駐車場などの安全な場所に停めてすぐに拭き取るようにしてください。

・2.車体カバーをかける

梅雨の時期や雨の予報が出ているときは、車にカバーをかけておくのもいいでしょう。頻繁に乗らない場合も、ホコリなどの汚れが付着するのを防げます。

ただし、車体のサイズに合わせたカバーにしないと車体を覆うことができなかったり、擦り傷がついたりするので、注意してください。

・3.ボディにコーティング剤を塗布しておく

車のボディやガラス部分にコーティング剤を施しておくことをおすすめします。コーティング剤には、車の輝きを保つことに加えて、汚れやミネラル成分などを付着させにくくする効果があります。

コーティングには事前の作業が必要になるので、あらかじめ自動車ディーラーなどに依頼する必要があります。

・4.研磨機でみがく(クリーニング)

頑固な雨染みや水垢には研磨機が効果を発揮します。車のボディをみがくための小型の研磨機なども市販されていますが、経験がない場合、擦り傷がついてしまう可能性もあるので、できれば専門の業者にお願いしたほうがいいでしょう。

水滴の自然乾燥はNG。ボディコーティングがおすすめ

前述の従業員は、ボディコーティングの効果について以下のように話してくれました。

「コーティング剤の塗布や研磨作業は、自動車の修理工場などで行うかなり大がかりな作業というイメージがあるかもしれません。

しかし、実際には数時間で終わることもありますので、車を購入した際や点検・整備を行う際に、合わせてコーティング剤の塗布や研磨作業を行うといいでしょう。

コーティング剤については、カー用品店などで販売されているガラスやボディのコーティング剤もあります。何年も効果が持続するというものは少ないですが、1ヶ月以上から半年ほどは効果が長持ちします。

価格も手頃で、洗車後にコーティング剤をボディ全体に軽く拭き上げるように塗布しておけば、素早く手軽に雨染みや水垢がボディについてしまうのを防げます。」

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ちなみに洗車後、車を拭き上げずに自然乾燥させるのもおすすめできません。筆者自身も梅雨の合間のちょっとした晴れのときを狙って、走行風による自然乾燥をさせてみたことがあります。

しかし、ボディ全体に真っ白なポツポツができてしまい、あまりにひどい見た目だったので、洗車し直したという経験があります。

雨染み対策には、ボディコーティングがおすすめです。頻繁にお手入れしないという人は、長期効果タイプのものを定期的に施工、メンテナンスしてもらうとよいでしょう。