陸上の100メートル走、200メートル走の世界最速記録を持つウサイン・ボルト氏が、自身がかつて挑戦したオーストラリア・リーグを非難した。英メディア『SPORT BIBLE』などが7月4日付けで伝えている。
 
 オリンピックで8個の金メダルを獲得したスーパーレジェンドは、陸上競技から一線を退いた後、2018年8月にAリーグのセントラルコースト・マリナーズの練習に参加。FWとして先発したテストマッチでは、小さな町に世界中のメディアが押し寄せるなか、2ゴールを決める鮮烈なアピールを見せた。

【動画】DFを背負いながら、角度のないところから左足一閃!世界に衝撃を与えたボルトの初ゴール 

 しかし、給与など条件面で折り合わなかったため、本契約には至らず、オーストラリアでの生活は終わりを告げた。ボルト氏は300万オーストラリアドル(約2億7900万円)を希望するも、クラブは1シーズン限りの契約で約15万オーストラリアドル(約1400万円)でのオファーを提示したと見られている。
 
 それから5年。35歳となったジャマイカの英雄は、サッカーのチャリティーマッチに参加した際にインタビューに対応。プロサッカー選手になるという生涯の夢を追いかけた日々を振り返り、「私は最初に間違いを犯したと思う」として、驚きの発言をしている。
 
「陸上競技を引退したとき、メディアに取り上げられるからヨーロッパにいたくなかったんだ。それでオーストラリアに行ったんだけど、そこのサッカーのレベルは高くなかった。ヨーロッパに残れば良かったよ」

『SPORT BIBLE』も「世界最速の男がオーストラリアの環境に責任を押し付けているのは明らかだ」と訴えたように、当然この発言はたちまち炎上。SNS上では非難の声が上がるなか、現地サッカーに精通した著名なジャーナリスト、サイモン・ヒル氏もツイッターで痛烈に皮肉っている。

「素晴らしいアスリートだが、プロサッカー選手にはほど遠い。この手のPRがなくなって久しいが、ありがたいことだ」

 ボルト氏は以前、プロのサッカーは予想以上に難しいと感じたことを認めるも、セントラルコーストでのトライアルでは、「公平なチャンスを得られなかった」とも主張していた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部