世界一黒い車が日本で見られる

「真・黒色無双」で全塗装したポルシェ 911

岐阜県岐阜市にあるピットワン(株式会社 極東)は、光陽オリエントジャパン株式会社とコラボし、世界一黒いと言われる塗料「真・黒色無双」で全塗装したポルシェ 911を公開しました。

■真・黒色無双について

真・黒色無双は光陽オリエントジャパン株式会社によって開発された世界一黒い水性アクリル塗料。旧モデル「黒色無双」から2020年10月にフルモデルチェンジしたシリーズ最新製品です。

対象物の表面に非常に大きな表面積の粉状塗膜層を作ることで、光を層の内部に閉じ込めて超低反射の黒い外観に。まるで現実のものではないかのような存在感を放ちます。

塗装環境を選ばない水性塗料で、Reach、RoHSといった環境規制にも対応。塗料自体もほぼ無臭のため、気軽に高品質な黒色塗装を楽しめるとのことです。

ちなみに読み方は「しん・こくしょくむそう」で、英語名は「MUSOU BLACK(ムソウブラック)」。

自動車の塗装には不向きな塗料

塗装を手掛けたピットワンの岩田さん

真・黒色無双で塗装されたポルシェの全反射率は0.6%で、明るい場所では確認できますが、周りが暗くなると影のようになり周囲からの視認性が著しく低下します。

実際に公道を走行する様子

そのため、ピットワンは警察と陸運局へ事前に確認した上、走行・撮影に至ったようです。

光吸収率は99.4%としており、日光などをモロに吸収してしまいます。真夏などに走行したら車内の温度がどうなってしまうのでしょうか。

実際、ピットワンも真・黒色無双は車の塗装には不向きだと伝えていて、粉状の光吸収層のため、塗膜の強度は非常に低く、軽い接触でも光沢の発生や塗膜の剥がれが発生するとのこと。雨・摩擦にも弱いようです。

■2019年公開の世界一黒いBMWより黒い

BMW X6 VANTABLACK(2019年)

ちなみに全反射率0.6%というのは、2019年のフランクフルトモーターショーで「世界で最も黒い黒」として公開されたBMW X6 Vantablack(ベンタブラック)の全反射率1%よりも低い数値です。

岐阜にて7月末まで展示

この車両は2022年7月末日までピットワン(岐阜県岐阜市柳津町栄町100)にて展示されています。なお、雨・摩擦に弱いために保管は別の場所されているとのことです。

■公式YouTubeでは制作の様子を公開

ピットワンのYouTubeチャンネルでは、この世界一黒いポルシェ 911の制作模様を公開しています。動画は以下より視聴できます。