グルメの宝庫である北海道には、それぞれの季節ごとに旬のおいしいものがあります。道外ではなかなか手に入らない高級食材も、道内では気軽に食べられることも。今回は読むのが難しい、北海道の高級食材をご紹介します。
「時鮭」って読める?
「時鮭」という北海道の高級食材があるのですが、知っていますか? “鮭”という漢字が使われているように魚介類です。名前だけは聞いたことがある、という方がいるかもしれません。その“時”ではない、という意味です。
さて、わかりましたか?
正解は「ときしらず」
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「時鮭」は「ときしらず」と読みます。名前にあるとおり、道産子のみならず日本人なら一度は食べたことがあるであろう、“鮭”のこと。
ただ、よく食べる鮭とは獲れる時期に違いがあります。鮭が獲れるのは、産卵の時期である秋から初冬にかけて。いわゆる秋鮭です。一方、春から夏にかけて水揚げされる鮭のことを「時鮭(ときしらず)」といいます。季節外れに獲れる鮭なので、「時を知らない」=「時知らず」という名前がついたのだとか。
日高地方では4~7月頃、十勝・釧路・根室地方では5~7月頃に獲れます。
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なぜ獲れる時期が違うのかというと、生まれた場所に違いがあるから。秋から初冬に獲れる鮭は北海道の川で生まれて、産卵するために遡上します。一方、時鮭はロシア北部のアムール川で生まれて、北海道の沿岸にやってくるのです。
脂がのって、やわらかい!
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秋鮭は産卵のために、卵や白子に栄養を蓄えています。一方、時鮭は若い鮭なので、まだ産卵の準備ができていません。栄養が全身に行き渡っているため、身全体に脂がのっているそう。
“幻の鮭”とも呼ばれており、やわらかくておいしい北海道の高級魚として道外でも知られています。ちなみに青森県でも獲れるようです。
地元民には身近な魚!?
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高級魚といわれている時鮭ですが、道産子の筆者は食べたことがあります。高級な飲食店に足を運んだわけではありません。地元の回転寿司屋で食べました。
当時子どもだった筆者は、「ときしらず」と書かれたメニューを見て「なにそれ?聞いたことないなぁ」と思っていましたが、サーモンが好きな筆者には大ヒット! 脂がのっていて、とてもおいしかったのを覚えています。
水揚げされる地域では、スーパーで買えたり海鮮系の飲食店で食べられたりと、意外にも身近な食材です。道外でも食べてみたいという人は、北海道まで足を運ぶのもひとつの手。ただし春から夏のみ獲れるので、時期を逃さないように気をつけましょう。
生でも、火を通しても、どんな調理法でもおいしい
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生でもおいしい時鮭は、お寿司や刺身で食べるのがおすすめ。シンプルに塩焼きにしてもおいしいそうです。北海道のバターを使ってソテーにしてもいいですね。
さっと焼いた時鮭を醤油などの調味料に漬け込む『時鮭の焼漬け』は、北海道の郷土料理でもあります。
道外だとなかなか食べる機会がないかもしれませんが、北海道を訪れたら時鮭を見かけることがあるかもしれません。食べられる機会があったら、ぜひそのおいしさを味わってみてくださいね。
【参考】釧路市、農林水産省、北海道、青森県漁業協同組合連合会、釧路総合振興局地域創生部地域政策課
【画像】たれぞう、rogue、flyingv、keiphoto、オクケン / PIXTA(ピクスタ)
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