大乱闘の原因を作ったとして10試合の出場停止中

 エンゼルスのフィル・ネビン監督代行が、出場停止中の2日(日本時間3日)の試合前に報道陣の取材に応じ「正直言って、結構惨めだね……」と本音を吐露した。6月26日(同27日)のマリナーズ戦で起きた大乱闘の原因を作ったとして、関係者の中で最も重い10試合の出場停止を受けたため、現在はベンチ入りできない状態だ。

 試合の前後にコーチ陣とコミュニケーションをとることはできるが「9イニングずっと(チームを離れているの)は、正直言ってけっこう惨めだね」と本音が口をつく。「上から見ていて、選手たちと一緒にいられないのは惨めだ……。つらいよ」と続けた。

 ネビン監督は今季途中に解任されたジョー・マドン前監督に代わってチームを任された。ただ自身が出場停止となってからチームは2勝3敗と黒星が先行。そして“代行の代行”となったベンチコーチのレイ・モンゴメリーがチームを任されている。さらにモンゴメリーコーチも2試合の出場停止を消化しなくてはならず、この間はビル・ハセルマン捕手コーチが“代行の代行の代行”をこなすという混乱の渦中にある。

 遠くから見る勝てないチームをネビン代行は「レイ(・モンゴメリー)はいい仕事をしてくれている。選手たちはいいプレーをしているし、一生懸命プレーもしている」とねぎらった。さらに「選手たちが試合に向かうときに部屋を出なければならないのは辛い。特にこの高い位置にあるスイートから観ていると、グラウンドが見えないしね。試合をただ見ているのは苦しいが、まだ(処分が)6試合残っている」と続けた。

シーズン折り返しを前に「まだ試合は残っている。変える準備もできている」

 チームは3日(同4日)のアストロズ戦が今季81試合目で、早くもシーズン折り返しを迎える。「まだみんな今年やれると信じている。まだ試合はたくさん残っている。事態が好転しなければ、一部変える準備はできている」と、ネビン代行は復帰後に思い切った手を打つ可能性を示唆した。

 一例として挙がるのが、先発投手を短いイニングで降板させる“オープナー”戦術だ。「先日初めて使った。ニューヨークやタンパでは相手がオープナー起用してきた。今後(我々が)またやる可能性はある。試合に勝つ可能性が高まるなら、なんでもする」と、採用の可能性も高そうだ。

 エンゼルスが勝ち星を逃せない理由として、三振の多さ、得点が本塁打に依存し過ぎていることが指摘されている。リーグ平均の三振率が22%なのに対して、エンゼルスは25.8%にも達する。この点についてネビン代行は「三振の数が心配になることはさほどない。問題は、どう三振しているかだ」と数よりも状況が問題だとした。

「状況によっては三振がさらに痛手になることもある。ランナーがいて三振すると1アウト、だがランナーがいてゴロを打つと2アウトになる。私は打者が三振してダグアウトに戻る姿は見たくないが、ときに三振はダブルプレーより生産的なアウトになることもある」と、三振自体をとがめるつもりはない様子。指揮官の頭の中には、どんな打線活性策が眠っているのか。(Full-Count編集部)