7月2日、インテルは2021-22シーズンでローマとの契約が満了したヘンリク・ムヒタリアンが加入したことを発表した。

 ドルトムント、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルでプレーしたムヒタリアンは、2019年夏にローマに移籍。計3シーズン在籍し、2021-22シーズンは欧州カンファレンスリーグ優勝に貢献した。ローマにとって14年ぶりの戴冠だ。

 新契約を提示して慰留を目指したローマだが、ムヒタリアンはインテルへの移籍を決断。タイトルを置き土産に、永遠の都を去り、ミラノへと向かうことに決めた。

 ローマ専門サイト『LAROMA24』は同日、「勝者として去った選手たち」と題した記事で、トロフィーを獲得したシーズン後にローマを退団した過去の選手たちを紹介している。そのひとりが、2001年にスクデット(セリエA優勝)を成し遂げた元日本代表の中田英寿だ。

【動画】スクデットを手繰り寄せる衝撃の一撃! 中田英寿がユベントス戦で決めたスーパーミドル弾
 フランス・ワールドカップ後の1998年夏にペルージャへ移籍した中田は、ユベントスとの開幕戦で2ゴールを挙げる華々しいデビューを飾るなど活躍。1999-2000シーズン途中にローマに移籍すると、翌シーズンのクラブ史上3度目のスクデット獲得に貢献した。

 特に、2点ビハインドから追いついて優勝に大きく前進したユベントスとの天王山で、途中出場ながら1得点を含む2得点に絡んだ一戦は、今も語り草だ。

 LAROMA24は「2000年1月、アーモンドの目と短髪のナカタは、ペルージャを向上させてからローマにやって来た。彼にとってサッカーが情熱だったことはなく、仕事だった。最初の会見で、(ローマの英雄で元日本代表監督の)ファルカンが誰か知らないと言ったほどだ」と伝えている。

「彼の初ゴールは、(ダミアーノ・)トンマージや(エウゼビオ・)ディ・フランチェスコと中盤を形成した古巣ペルージャとの試合でのことだった。1年目はあまり輝けなかったが、(当時のユベントス本拠地)デッレ・アルピでリベンジ。(エドウィン・)ファン・デルサルからゴールを奪い、最後の(ヴィンチェンツォ・)モンテッラの同点弾をお膳立てした。3度目のスクデットに向かう中での最高潮だ」

 外国人枠やフランチェスコ・トッティとのポジション争いなどもあり、中田はローマでの1シーズン半でリーグ戦出場30試合の5得点という成績だった。だが、ローマの歴史に残るスクデット獲得に大きく貢献した彼は、生ける伝説のひとりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部