普通免許のみで大型キャンピングカーの運転はできる?

 最近はアウトドアブームとなっており、クルマの中で寝泊まりをする「車中泊」をするユーザーも増加してきています。
 
 なかでも設備の整っている「キャンピングカー」は、一般的な車中泊とは異なり、キッチンスペースや家庭用エアコンが装備されているものもあるなど、寝泊まりできる快適な空間が装備されています。
 
 そんなキャンピングカーのなかには、トラックほど大きいタイプのクルマがありますが、所有している免許が普通免許のみでも運転することができるのでしょうか。

大型キャンピングカーは普通免許で運転できる?

 キャンピングカーには、主に「自走式」と「けん引式」の2種類があります。

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 自走式には、ミニバンやワゴンなどをベースにしたバンコンバージョン、いわゆる「バンコン」や、バスのボディはそのままに、車内をキャンピング仕様に改造した「バスコン」などがあります。

 最近では、軽自動車をベースにキャンピング仕様に設計された「軽キャンパー」も人気を集めています。

 大きいサイズのタイプでは、自動車メーカーの専用シャシー(フレームや駆動系、エンジンなど)の上にすべてを架装メーカーが製造した「フルコン」や、バスの運転席部分を残し後部をキャンピング仕様に設計、製作された「セミフルコン」などがあります。

 また、トヨタ「カムロード」に代表されるトラックをベースに、住居スペースであるキャンピングシェルを載せた「キャブコン」はメジャーなキャンピングカーのひとつでしょう。

 一方でけん引式には、けん引装置によってけん引されるシャシーにキャンピングシェルを載せた「トレーラー」タイプなどがあり、欧米では広く利用されています。

 では、こうした車両サイズの大きいキャンピングカーは、普通免許のみでも運転可能なのでしょうか。

 クルマの免許は、所有している免許ごとに車両総重量や最大積載量、乗車定員がそれぞれ異なります。

 車両総重量とは、最大乗車人数(定員)と積載できる荷物の総重量(最大積載量)を加えた数値です。ちなみに乗車定員は1名55kgで計算されています。

 2022年7月現在で、普通免許で運転可能なクルマの規定は、「車両総重量3.5t未満、最大積載量2.0t未満、乗車定員10人以下」となっています。

 そのため、上記の条件を満たしていればトラックのようなキャンピングカーであっても普通免許で運転は可能といえます。

 また大きなバスコンなどであっても、キャンピングカーのように10人以下に改造することで、条件によって普通免許のみで運転することができます。

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 その一方で、過去普通免許について過去に免許制度が改正されており、取得時期によって運転できるタイプが異なります。

 2007年6月1日までに取得していた場合は、普通自動車に加えて、車両総重量が8t未満、最大積載量5t未満、乗車定員10人以下の「中型自動車」を運転することができます。

 また、2007年6月2日から2017年3月11日までに取得していた場合は、普通自動車に加えて車両総重量が5t未満、最大積載量3t未満、乗車定員10人以下の「準中型自動車」の運転が可能です。

 しかし、2017年3月12日より普通免許と中型免許の中間にあたる「準中型免許」が新設されたことで、これ以降に免許取得した人は通常積載量2t以上のクルマの運転はできないため、注意が必要です。

 最近ではアウトドアの人気が続いており、キャンピングカーに憧れを持つ人も増えてきているかもしれません。

 一般的にキャンピングカーの運転は普通免許のみでも可能ですが、取得時期によって運転できるクルマが異なる場合もあるため、注意が必要です。