「正直、ずっと実感が沸かなくて。今この瞬間も私本当に卒業するのかなって思うくらい、ほんとに信じられないですね。それくらい日向坂46っていうものが私の人生の一分になっていて、それがこれからなくなるってぜんぜん想像できないんですよ。でも、それってすごく寂しいことだと思うんですけど、幸せだなって思って。メンバーって家族みたいな存在で、メンバー以外にも支えてくださる周りの方や、おひさまのみなさんもほんとに私にとってはとっても大切で。そんな人達の囲まれて、今この場を迎えられるってほんとに幸せだなって思います」

その後は、加入してからの5年間でアイドルとしても人間としても成長させてもらえたこと、握手会などで自分も誰かの希望になれているのかなと思えたこと、そして一期生、二期生、三期生への言葉を述べた。最後は「私はこれから、また違った道を私の足で歩き始めますが、もっとなりたい自分になって、また違った形でみなさんと会えるのを楽しみにしてます。長くなりましたが、このへんで締めさせていただきたいなと思います。ほんとに5年間、ありがとうございました」と言って、涙ながらにスピーチを終えた。

ここで二期生が登場。金村が「美穂だからこそこんなにたくさんの人に愛されてたんだよって言いたくて」と伝えれば、渡邉とよく買い物に行くという濱岸ひよりが「これからも焼き肉いっぱい行きたいね」と続くと、渡邉も「まだみんなに会えるからさ、そんなにグーッと来る感じじゃないんだよね。私普通すぎるよね?」と今の正直な心境を語った。

そして、二期生と上村ひなのからのサプライズが。富田のピアノの伴奏で、渡邉を囲んで「君のため何ができるだろう」を歌唱。思いもしなかったはなむけの歌を聞きながら、渡邉は再び号泣した。

その後、一期生や他の三期生も登場して、あらためて渡邉を囲む。公私ともに仲のいい小坂菜緒は「私は二期生で入ってきて、美穂とすごい親しい存在っていうか。先輩と一緒に混ざってお仕事することも多かったり、ふたりで前に立つことも結構多くて。だからこそ悩んでたこととか、活動に対して思うことがどんどふたりとも似てきて。同じ感情を共有できるような仲間に出会えて、それ自体がすごく心強かったし。個人的な話になっちゃうんですけど、私が少し長い間、お休みをしてたんですけど、その間もずっと美穂が私を離さないでいてくれて。それが私がここに戻ってくるきっかけにもなってたし、もしかしてそれがなかたら私は今ここに立ててないかもしれないなって思ってた」と、ふたりの絆と運命を感じるエピソードを語った。

三期生の高橋未来虹は、渡邉と「Right?」をパフォーマンスしたことで「三期生にすごく愛を注いでくれたんだなって気づけた」と言い、渡邉がドラマ「声春っ!」で演じた尼崎あまね役の髪型で今日はステージに立っていたことを明かした。最後は、キャプテンの佐々木久美が「私達はみんな絶対に美穂の味方だし、おひさまも味方してくれるから、これからも胸を張って頑張ってください」とエールを送る。そして本当に最後の曲、「JOYFUL LOVE」を歌ってセレモニーを終えた。  

ライブ後、ステージにひとり残り、会場のファンとひと通り目を合わせた渡邉は「私の5年間いたこのグループを、あらためて、みなさんで守り続けてください。ありがとうございました」と言ってステージを後にした。

グループ初の卒業セレモニーは、主役の渡邉美穂がやりたいことが詰まっていると同時に、メンバーからの愛が詰まったイベントになった。

さまざまなメンバーが語っていたように、どんなときもムードメーカーとしてグループを明るくし、その努力する姿勢でメンバーを鼓舞し続けてきた渡邉美穂。現在、日向坂46は新メンバーのオーディション中だが、本人はいなくなっても、渡邉がグループに残した明るいパワーは受け継がれていくだろう。

☆セットリスト
OVERTURE
M1. ハッピーオーラ
M2. やさしさが邪魔をする
M3. あくびLetter
M4. 半分の記憶
M5. 沈黙が愛なら
M6. 青春の馬
M7. それでも歩いてる
M8. Right?
M9. 僕なんか
M10. NO WAR in the future 2020
M11. 恋した魚は空を飛ぶ
M12. 誰よりも高く跳べ!2020
M13. 飛行機雲ができる理由
EC1. JOYFUL LOVE