2022年6月27日にTwitterのトレンドに「結婚式の加害性」なる言葉がトレンド入りし、ユーザーに困惑が広がりさまざまな議論が飛び交う事態になっています。

発端はLGBTQの観点で「結婚式に呼ぶのはどうなのか」という悩みが綴られたツイートで、それに対してあるユーザーが他人がどのような状況でも「強制的にお祝いさせる場」だと主張。「結婚式その他祝賀行事には原理的にすべて加害性があるのだから、誰も傷つけたくないのであれば中止にするほかない。そういった覚悟を持ってやるべきイベント」だという趣旨のツイートを投稿しています。

これに対して、アニメ『機巧少女は傷つかない』夜々役などで活躍している声優・歌手の原田ひとみさん(@vhitomin)が次のように言及しています。

「結婚式の加害性」トレンドを見て、自分はこんなに恵まれてないからと一般公募の言葉広告を撤去させたり、綺麗な人に美人と言うのダメってムーブを思い出し…少し前からだね。でもそれだけ「自分の弱さに向き合い落とし込めず、周りを自分のお気持ちのみに配慮させたい人」増えたんだなぁとも思った

さらに原田さんは、いわゆる「マウント」についてや、心の持ちようについて続けてツイートしています。

これは「マウント取られた!」にも通ずる所があると思っていて、私は人から良い大学出てる事を言われたら「凄いね!」になるけど、「マウント取って来た嫌な奴!」と思う人は存在するようで(私の中には無い考えなので、正直びっくりした)。でも、自分の心ってもっと自由であっていいと思うんだ

行きたくない祝いたくないムカつく、と思うならば、それはその人の心の自由だし、無理して行かなきゃ祝わなきゃと自分を追い詰めるより「むかつくし祝えないから行かない!自分の幸せの為に何かに夢中になってやる!」の方向に出来たなら、皆が幸せを目指せるのになぁ…と、個人的には思いました

自身が結婚式に招待された時のことを「仲良い子達が幸せそうなのを見れて楽しかったので、呼んでくれた方々にはありがとうですよ」としつつ、わざわざ説明しないといけない空気に対して「複雑な気持ち」と付け加えている原田さんのツイートには、「追い詰められている人が多くなった」「経済と心の豊かさも関係しているのでは」「でも気持ちは分かる」といった意見が数多く寄せられています。

一方で、『戦うパン屋と機械じかけの看板娘』(HJ文庫)などで知られる作家のSOWさん(@sow_LIBRA11)は、「私も思い当たるところある」として、次のようにツイートしています。

「結婚式の加害性」まで言い出したら、さすがに自他境界線が崩れているので、マジでメンタルカウンセリング案件だと思う。
いやホントマジで。
私も思い当たるところあるから。

正直、やばい状態の人間って、「自分以外のポジティブなもの」全てが、「ポジティブでない自分を責めている」と思うようになるの。
例えば、桜の花が咲いているだけで、「自分をバカにしている!」って思うようになるの。

まぁ具体的に言うとね、「売れない作家が売れている坂の、『重版しました』って言葉聞くたびに、『あーあ、幽遊白書に出てくる”禁忌”の能力ほしいな。そしたら重版を禁忌にするのに」って思うようになるとかね。
なんだね君たち、なぜ私を見るのかね?
やめたまえ! その憐れむ目は!!

まぁでもネタ抜きでね、わかるでしょ? このおかしさ。いや、人間性のおかしさでなくてね?
同じ「不思議な能力を得られるなら」の「もしも」の発想が、「自分を幸せにする」ではなく、「他人を自分と同レベルに落とす」になっている。
これは、自他境界線の歪みですよ。

「自分と他人の間にれっきとした境界線を引きましょう」と説いた上で、「人間は精神の均衡を保つためにも、時に大げさなくらい、他人の幸福を祝うくらいの方が良かったりするんですよ。そこで自身の線を引き直せる」というSOWさんの意見にも、さまざまな反応が寄せられており、「あまり叩かないであげてほしい」といった声も上がっていました。

筆者もSNSを見て心身の不調を覚えた経験があるのですが、そういった状態になると全ての情報をネガティブに捉えるようになります。そういった時はまず全てのデバイスを落として、ネットから離れることが大事になります。誰にでも見れるネットに投稿する前に、一呼吸置くことを心がけるのも良いかもしれません。

※画像はTwitterより
https://twitter.com/vhitomin [リンク]