梅雨のジメジメした時季、冷え冷えのビールやワインが美味しい季節になってきた。今回は普段のお料理にも、お酒のおつまみにも重宝する市販のカマンベールを食べ比べ。冷蔵庫に常備するならどれがいいかな?

個包装のものから自分でカットする円柱形ものまでタイプは様々

カマンベールは白カビチーズの代名詞とも言える人気のチーズ。18世紀末にフランス北部のノルマンディー地方で誕生したと言われており、表面に付着した白い粉のような白カビが香ばしくてコクがあり、中身は表面ほど熟成していなくてやわらかくクリーミーで食べやすい。国産のものもあれば、海外で製造されて輸入されているものもある。まずは国内の生乳で作った国産カマンベールから試食! 

*価格・容量などは2022年3月時点もので、その後、変更している場合もあります

旨味がやわらかく広がる「雪印北海道100カマンベール」

内容量100g 、メーカー希望小売価格500円税込(購入時価格415円税込)、個包装1個あたり52kcal、製造:雪印メグミルク

「雪印北海道100カマンベール」はパッケージに「北海道産の生乳を100%使用した日本人の味覚に合ったチーズ」と書いてある。切れていないタイプもあるが、今回は切れている個包装タイプを実食。

包装を開けるとおだやかな香ばしい香りが広がり、白カビの付いている部分は口の中で残るものの、中身はとろ〜りとやわらかくクリーミーで、口の中ですぐになくなる。チーズのコクや独特な旨味がまろやかに広がる。非常に食べやすく子供やチーズが苦手な人も楽しめるだろう。

香りも味も食べやすい! 「明治北海道十勝カマンベールチーズ」

内容量90g 、メーカー希望小売価格560円税込(購入時価格393円税込)、個包装1個15 gあたり48kcal、製造:明治

次は「明治北海道十勝カマンベールチーズ」。こちらも切れていないタイプもあるが、今回は切れている個包装で食べ比べした。このスタンダード味の他に、ブラックペッパー入りや燻製タイプのカマンベールもあり、シリーズ内で食べ比べしても楽しそうだ。燻製などはビールに合いそう!

試食してみると、おだやかなチーズの香ばしい香り。表面の白カビの部分は少し口に残るが、中はとろりとやわらかく、いつの間にか口の中で溶けてなくなる。そしてやさしいミルキーな味わい。今回試食した4品の中では、チーズ特有の香りや白カビのクセが一番マイルドだった。普段、チーズがあまり得意ではないという人にもおすすめかも。こちらもパッケージには北海道産の生乳使用と書いてある。

リーズナブルな価格が嬉しい! デンマーク産チーズ

内容量125g 、購入時価格305円税込、125gあたり371kcal、輸入者:宝幸

ここからは海外産のカマンベール。まずは赤いパッケージに「DANISH」、つまりデンマーク産と書いてある「ロルフカマンベールチーズ(デンマーク産)」。香りは他に比べてかなり控えめで、表面の白カビも少なめ。味はマイルドで食べやすく、白カビが得意でない人でも食べられるだろう。

中身はもっちりした弾力があり、前述の国産2商品とは明らかに違う舌ざわり。中のチーズが口の中でとろけてなくなることはあまりないので、お酒などとゆっくり時間をかけながら、口内調味を楽しみながらチーズを味わいたい人におすすめ。何より価格が一番手頃なのが嬉しいところ。国産ものよりも賞味期限が1年とかなり長めなのも冷蔵庫の常備品としてはポイント高いだろう。

フランス直輸入のチーズは濃厚で酸味が効いている!

内容量125g 、購入時価格767円税込、100gあたり279kcal、販売者:チェスコ

4つの中で一番表面の皮がやわらかかったのが、こちらのフランス原産の「ジェラールカマンベール」。個包装のものが3個入った同じカマンベール商品もあるようだが、こちらの切れていないタイプだと、チーズ専用ナイフなどがあった方がカットしやすいだろう。一般的な包丁でも切れるが、やや表面の形が歪む。

やさしいチーズの香りで、一口目からしっかりと濃厚なチーズの旨味が押し寄せる。

最初の国産2商品とは違い、表面と中身の舌触りにあまり違いがなく、全体的にねっとり、もっちりした食感。そこは3番目のデンマーク産とも似ているので、海外産の共有点なのかも。

特徴的なのは、まろやかなクリーミー味の中に酸味もしっかり感じられる点。白ワインを欲するような味わいで、フルーツなどとも合わせたくなる。価格は他商品の2倍近くもするのだが、チーズとワインの本場、フランスの本格カマンベールを堪能したい人にはおすすめ。パッケージが上品でおしゃれなので、ホームパーティなどでのちょっと手土産としても喜ばれそうだ。

蛇足だが、個人的にはチーズの包装紙に白カビの表面部分がくっついてしまい、取れない部分があったのが、ちょっともったいないような気がした。とても美味しい部分なのに! (笑)。

以上、4種の食べ比べまとめ。

国産ものは中身がとろ〜りと口の中で溶けていく点が共有しており、おそらくこれが日本人の好みであり、日本の消費者ニーズに合わせて国内メーカー開発たものなのだなと分かった。どの商品も包装後、加熱殺菌しているのでナチュラルチーズの部類に入り、賞味期限が2〜3カ月以上と長いので冷蔵庫の常備品としては安心だ。

リーズナブルな価格で選ぶか、味わいの違いで選ぶか、食感で選ぶかはあなた次第。シーンや好みに合わせて、最適なカマンベールチーズを毎日の生活にセレクトしよう!