元アルゼンチン代表FWカルロス・テベスが、現役引退を発表した。4日にアルゼンチン紙『クラリン』などが伝えている。

 テベスは2021年夏にボカ・ジュニアーズを退団して以降、無所属が続いていた。アルゼンチンのトーク番組『Animales Sueltos』に出演したテベスは、「僕はすでに引退している。決定事項だ。アメリカやアルゼンチンから多くのオファーをもらったけど、自分の中ではやりきったと感じている」と引退を表明。また、その理由として、自身の「一番のファンだった」父親を亡くした影響を挙げている。

 現在38歳のテベスはボカ・ジュニアーズの下部組織出身で、2001年10月に17歳でトップチームデビューを飾った。その後はコリンチャンスやウェストハムでもプレーし、2007年夏からは2年間マンチェスター・Uに所属。プレミアリーグ連覇を果たし、2007−08シーズンのチャンピオンズリーグ優勝に貢献した。

 2009年夏に同じ街のライバルであるマンチェスター・Cへと完全移籍。2年目の2010−11シーズンはプレミアリーグ得点王に輝き、3年目の11−12シーズンにプレミアリーグ優勝を経験した。

 同選手は2013年夏にユヴェントスへと完全移籍。2シーズンの在籍で50ゴールを挙げ、セリエA連覇の原動力となった。

 2015年夏にボカ・ジュニアーズ復帰。2017年1月に上海申花へと移籍したが、1年後に再びボカ・ジュニアーズへ戻り、2019−20にはリーグ優勝を成し遂げた。約20年間のクラブキャリアを通じて公式戦746試合に出場し、308ゴールを挙げた。

 また、アルゼンチン代表ではユース年代から主力として活躍。2004年のアテネ五輪では大会得点王に輝いて金メダルを獲得した。2004年3月にA代表デビューを飾り、通算76試合に出場して13ゴールを記録した。

 テベスは『Animales Sueltos』で将来にも言及。「コーチになることを決めた。すでに兄弟たちと4〜5カ月かけて進めているプロジェクトもあるんだ。僕なら、多くの子供たちがサッカーに溶け込めるよう、手助けができると思う。彼らは僕の言うことに耳を傾けてくれるだろう。僕は、ピッチの上でも外でも、彼らに必要なツールを与えることができる」と、育成の道に進むことを明かしている。