富士フイルム株式会社は、独自の色再現技術による卓越した画質と小型軽量を実現するミラーレスデジタルカメラ「Xシリーズ」用交換レンズ「XFレンズ」のラインアップとして、「フジノンレンズ XF18-120mmF4 LM PZ WR」(以下:XF18-120mmF4 LM PZ WR)を2022年9月に発売する。希望小売価格は税込145,200円。
XF18-120mmF4 LM PZ WRは、汎用性が高い6.7倍ズームをコンパクトに設計したパワーズームレンズで、風景写真からポートレート写真まで幅広く撮影できる。また、ズーム・フォーカスの高精度な電動制御を実現。放送用レンズやシネマレンズで培ってきた開発ノウハウも取り入れ、快適操作で本格的な動画撮影が可能だという。また、1本で静止画・動画撮影に対応できるハイブリッドレンズで高品位な映像表現が楽しめるという。
広角18mm-望遠120mm(35mm判換算:27mm-183mm相当)の焦点距離をカバーし、焦点距離全域における開放F値4の明るさ、最大撮影倍率0.2倍の近接撮影を実現した。広角側では風景撮影、望遠側ではボケ味を生かしたポートレート撮影ができるほか、花・植物のクローズアップ撮影も可能とし、1本のレンズで幅広い撮影シーンに対応するとしている。
また、高い動画特性も有しているため、フォーカス時に発生する画角変動やズーム時に生じる光軸ズレを抑制。動画撮影中でも安心してズーミング・フォーカシングを行え、高品位の映像制作を可能にする。さらに、通常のズーム・フォーカスリングに加え、可変速ズームもしくはフォーカスができる「ズーム/フォーカスコントロールリング」と、一定の速度でズームを動かせる「ズームボタン」を新たに装備した。XF18-120mmF4 LM PZ WRの特長は以下の通り。
幅広い撮影領域をカバーし高品位な静止画・動画撮影が可能
非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚を含む12群15枚のレンズ構成により、球面収差や歪曲収差、色収差を抑制したことで、高い解像性能を発揮。また汎用性が高い6.7倍ズームをコンパクトな設計で実現している。風景など情報量が多い広角側での撮影から、ポートレートなど被写体をクローズアップした望遠側での撮影まで精緻な描写を可能とし、幅広いシーンに対応する。
フォーカスレンズの配置を最適化したことにより、ブリージングを光学的に抑制。「フジノン」シネマレンズの高度な技術で、動画撮影中のフォーカシングによる画角変動を抑え、高品位な映像体験を提供するという。
非球面レンズの最適配置により、ズーム全域でレンズ先端から最短46cm、最大撮影倍率0.2倍の近接撮影を実現している。これにより、望遠領域であっても、画面に被写体をより大きくクローズアップした撮影を楽しむことが可能だという。被写体に威圧感を与えにくいコンパクトサイズを生かして、静止画・動画に関わらず被写体に近づきながらの近接撮影ができるとしている。
高速・高精度なAFを実現
小型軽量なフォーカスレンズ群をリニアモーターで駆動させるインナーフォーカス方式を採用している。さらにフォーカスレンズ群を小型化することで約0.02秒の高速・高精度AFを実現した。ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-H2S」との組み合わせでは、ピントの追従性が大幅に向上。カメラ側の高速フォーカス駆動制御に対応したことで、動画撮影中であっても動く被写体に自然なピント合わせが可能だ。
快適な映像制作をサポートする多彩な動画撮影機能を搭載
絞りの駆動制御を見直し、絞りによる露出変動を抑制。輝度変化に対する絞りの駆動制御を滑らかにすることで、動画撮影時に明るさが変化するシーンでも安心して撮影できるという。
ズームもしくはフォーカスを可変速で制御できる「ズーム/フォーカスコントロールリング」を新たに搭載。動画撮影時に求める、ズームもしくはフォーカスの精緻な速度コントロールを可能とし、映像表現の自由度を高めるとしている。一定速度でズームを駆動できる「ズームボタン」を新装備し、快適な動画撮影をサポートするという。
ミラーレスデジタルカメラ「X-H2S」のリモート録画機能※により、パソコンなどのブラウザ上で、X-H2SのみならずXF18-120mmF4 LM PZ WRのリモートコントロールが可能だ。最大4台のカメラとレンズの遠隔操作ができ、映像制作現場における、少人数での撮影に有用だとしている。
※X-H2Sと別売りアクセサリー「FT-XH」との組み合わせにより使用可能
小型軽量化により高い機動力を発揮
非球面レンズとEDレンズの効果的な配置により、質量460g、全長約123.5mm、フィルター径72mmを実現した。幅広い撮影領域をカバーしながら高い携帯性を誇り、機動的な撮影を可能にする。
レンズ鏡筒をシンプルな構造にできる、全長一定のインナーズームを採用。軽量化と同時に、重心バランスの変化が少ない快適なズーミングを実現している。また、レンズ鏡筒部を回転させる従来のカム筒構造に代わり、ステッピングモーターでズームレンズ群を真っ直ぐ移動させる軸吊り構造を採用。広角側から望遠側のズーム全域で、光軸ズレがない、高品位な撮影を実現するという。
防塵・防滴・耐低温構造を採用
鏡筒の13カ所にシーリングを施した防塵・防滴・-10℃の耐低温構造を採用。急な天候や土埃が舞う環境にも対応し、撮影シーンを選ばず安心して使用できるという。