水槽の底に敷き詰められた砂から、ニョッキリ顔を出す「チンアナゴ」。いろんな水族館でその愛らしくもシュールな姿を見ることができるが、たいていの場合、「砂の中」は隠れている。

彼らの「下半身」は一体どうなっているのか。その様子が見られる珍しい展示を行う水族館が、ツイッターで話題となっている。

こちらは2022年5月13日、ツイッターユーザーのこんくり (@sorihr1)さんが

「チンアナゴの砂の中の姿を見てきた。
思ってたよりくねくねしてた」

という呟きと共に投稿した画像だ。

水槽のかなりの高さまで、砂が入れられている。そしてそれをくにゃくにゃと穿つチンアナゴの想像よりもずっと長い体。下「半身」どころではない。これは結構、衝撃的な光景だ......。

Jタウンネット記者が16日、投稿者のこんくりさんに話を聞いたところ、この展示は13日、沼津港深海水族館(静岡県沼津市)で撮影したもの。

「チンアナゴの全身はなかなか見る機会がなかったので、その長さに驚きました。
ちょうど飼育員さんのお仕事に焦点を当てた企画展を実施されていたので、きっと飼育員さんが水槽のセッティングを工夫されたのだな〜、と思いを馳せることができました」(こんくりさん)

巣穴を確実に見せられるように工夫

展示について、沼津港深海水族館にも話を聞いた。

話題のチンアナゴの展示は、春の特別展示「女性飼育員トリオのお仕事報告書」内で実施されているもの。21年に同館の飼育部門に入社した3人の女性飼育員たちが担当する生物の水槽展示を行い、生物の解説を上司への報告書や業務内容のメモ書き等に見立てて、ユーモアいっぱいに紹介している催しだ。

チンアナゴの展示方法について、取材に応じた同館飼育展示マネージャーは、

「大変人気があるチンアナゴですが、砂から出ている部分は少なく、実際はその何倍もの大きさがあるということを知らない方も多くいらっしゃいます。そこで、そんなチンアナゴの全身を見てもらいたいという思いで試行錯誤の結果、今回の展示方法に至りました」

と話す。展示を実現するにあたって、特に苦労し、工夫したのは「水槽」。

それぞれ個体差はあるものの、だいたい直径が5〜6ミリメートルほどの太さのチンアナゴは、砂の中にある巣穴のサイズもそのくらい。

なので、水槽の砂の中に仕切りを埋め、ガラスの面との幅を少しずつ狭めていくことで、巣穴を確実に見せられるようになる厚みを探していったのだという。その結果、現在の6ミリほどの薄さに辿りついた。

先輩から新人まで、飼育員たちが協力しあって生み出した今回のチンアナゴの展示。ツイッターでは

「地上だけシャンとするんですね」
「ヘビ感強くてビビった」
「チンアナゴは砂の中でどうなっているのかなあってずっと気になっていました 謎が解けました!」
「ええーーーー 真っ直ぐじゃないの??」
「思ってたより長い!」

と多くのユーザーから驚きの声が上がるなど、反響は大きい。

チンアナゴの珍しい生態が見られる春の特別展示は7月10日まで沼津港深海水族館で開催予定だ。