日本のバイク文化とは切っても切り離せない存在の一つに750cc、通称“ナナハン”があります。しかし、そのナナハンは今や風前の灯。各社ラインアップはどうなっているのでしょうか。

日本バイクの歴史は、ナナハンなしでは語れない!

 バイクには50cc以下のものから、日本では最大排気量を誇るホンダ「ゴールドウイング GL1800」の1833ccまで実に様々な種類があります。その中でも、日本のバイクの歴史を語る上で欠かせない区分のひとつが“ナナハン”、750ccのラインアップではないでしょうか。


カワサキZ2こと750RS(画像:川崎重工業)。

 1969(昭和44)年に登場したホンダ「CB750FOUR」がナナハンジャンルの先駆けとなり、1973(昭和48)年には、今も“伝説”として語り継がれるカワサキ「Z2」が誕生。中古市場では数百万円の価格が付けられているなど、その人気は健在です。

 しかし2022年現在、ナナハンは絶滅寸前というほかありません。日本の4大メーカーのラインアップを見ると、ホンダはクロスオーバータイプの「NC750X」とスクーターの「X-ADV」、スズキはスポーツタイプの「GSX-S750」だけ。ヤマハとカワサキはラインアップなしです。なぜこうなってしまったのでしょうか。

 そもそも、1969年にホンダが「CB750FOUR」を発表した後、国産バイクは750ccが最大排気量、というメーカー側の自主規制がおこなわれました。このことがナナハンバイクの更なる発展のきっかけとなります。

 750cc超えバイクの逆輸入も行われるようになり、1980年代後半に自主規制は撤廃。日本でも1000ccを超えるようなリッタークラスのバイクが手に入れやすくなっただけでなく、日本から海外へ向けたバイク需要にも対応できるようになりました。

 日本では1982(昭和57)年の328万5000台という国内出荷台数をピークに台数が減少していることもあり、海外へ目を向けられてきましたが、750ccは海外からすると、やや中途半端に映るケースが多いようです。それでも、往年のナナハンモデルの中古価格が高騰していることからすると、日本では一定の存在感を持ち続けているのかもしれません。