東の“代役”上茶谷が快投、エース今永も実戦復帰近し

 DeNAは3日に予定されていた敵地・神宮球場でのヤクルト戦が雨天中止。今季4勝4敗の勝率5割で、5日からは今季開幕9連敗中の阪神を相手に3連戦に臨む。先発投手陣は好調で、先発ローテーション要員が“あふれる”ほど。三浦大輔監督は「悩んでます」と嬉しい悲鳴を上げている。

 今季のDeNA先発陣は、3月25日に広島との開幕戦で先発した東克樹が5回4失点(自責点2)、翌日の第2戦を担った大貫晋一も4回7失点(自責点6)で降板したが、第3戦の坂本裕哉は4回までパーフェクト。5回に5安打を集中され一挙4点を失ったものの、6、7回は立て直し、結局7回4失点にまとめた。

 すると、中日相手の2カード目からが凄かった。フェルナンド・ロメロが8回無失点、石田健大が7回2失点、浜口遥大が8回無失点、上茶谷大河が7回1失点、2度目の先発となった大貫も6回2失点に抑え、5試合連続クオリティスタート(QS=先発して6回以上を投げ自責点3以内)。しかも、ロメロから上茶谷までは4試合連続で、その上のハイクオリティスタート(HQS=7回以上で自責点2以内)という安定ぶりだ。昨季リーグワーストのチーム防御率4.15、特に防御率4.34と足を引っ張った先発陣が、今季は見違えるようなスタートを切っている。

 中でも上茶谷は、当初開幕ローテから外れていたが、東が左中指の皮がめくれる怪我で1日のヤクルト戦先発を回避したことから、急きょ代役を務め好投。三浦監督から「開幕ローテーションから外れ、悔しい思いをしただろうが、回ってきたチャンスで結果を出した」と称えられた。

 東は軽傷で、復帰に時間はかからない見込み。さらに、左前腕の炎症で出遅れたエース・今永昇太の実戦復帰も近い。こうなると先発ローテは“定員オーバー”の様相だ。指揮官は「先発陣はみんな、いい形で競争してくれている。日程も考えながら、今だけでなく先のことも考えて、どんなローテーションがいいのか悩んでます」と打ち明けた。この日、貴重な先発機会を雨で流してしまった坂本は、次回登板が1週間以上先へずれ込まないとも限らない。

 今季まだ白星のない阪神の待つ、敵地・甲子園へ勝率5割で乗り込むDeNA。前回快投を演じたロメロ、石田、浜口が中6日で備えるだけに、ここで貯金をつくって勢いに乗りたいところだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)