3月といえば、花粉症のシーズン。鼻がムズムズしたり、喉が痛くなったりと症状に悩まされていませんか? 今回は、コロナと花粉症の症状の違いや、共通の対策について、「たかまつ耳鼻咽喉科クリニック」院長の高松俊輔先生に伺いました。
コロナと花粉症の症状の違いを教えてくださいコロナウイルスの株によって異なりますが、以下が大まかな症状の違いです。
出典: 美人百花.com
新型コロナは感染症であり、花粉症はアレルギー症状です。コロナ感染症と花粉症であれば、発熱・咳・関節痛・倦怠感で判断できますが、花粉症の初期症状にも頭痛やぼーっとしたような感覚(疲労感)が出る方もいらっしゃいます。決定的な症状の違いは目のかゆみです。また、喉の症状にも違いがあります。
花粉症の喉症状(アレルギー反応)喉のいがいが、かゆみ、違和感。
花粉症の飛散量(暴露)によるため、症状が重い時間もあれば軽い時間もあり、1日の中で変動する。
コロナの喉症状(ウイルス感染)喉の痛み、炎症(つばを飲みこむと痛い)。
発症して痛みのピークがきて過ぎ去る(2〜3日でピークアウト)ため、1日の中で変化は少ない。
花粉症でコロナの抗体検査が陽性になることはありません。しかし、花粉症の方が新型コロナウイルスに感染すれば同時に症状が出る可能性はあります。日本国民の40%は花粉症であり、毎年多くの方が花粉症の症状に悩まされています。誰がいつ花粉症に感作してもおかしくないです。花粉症の鼻や喉の症状があるだけでは抗体検査は陽性になることはあり得ませんが、同時期に罹患することはあるでしょう。
花粉は飛散する時期が異なり、自分がどの花粉に対してアレルギーを持っているかを検査で知ることができます。アレルゲンを特定することで発症時期を予想し、事前に対策して症状を抑えることが本来の目的ですが、自身の発症時期と照らし合わせてコロナ感染症と見分けられるかもしれません。
画像出典:サーモフィッシャーダイアグノスティックス社
今年の花粉の注意点を教えてください今年の2月は寒くあまり花粉が飛ばなかったので、3月は飛散量が急激に増えると予想されます。じわじわ飛ぶ年もありますが、今年のように寒い日が続いた場合は、暖かい日に一気に花粉が飛散します。ハウスダストやダニなどの日常にあるアレルゲンと違い、季節性アレルギーはその名の通り季節によって飛散量が大きく変動します。日常的に花粉に曝露されている訳ではないので体がアレルゲンに慣れておらず、花粉の飛散量が多い日は強い症状が出ることがあるでしょう。以下の日は花粉の飛散量が増えます。
・暖かい晴れの日
・雨あがりの晴天
・風が強い日
・乾燥している日
症状が出る前から内服薬などで事前の対策が必要です。
コロナ対策と花粉対策、共通して対策できることを教えてくださいマスク・花粉による暴露が減る(口や鼻からの侵入を軽減)
・新型コロナウイルスの飛沫感染、空気感染、エアロゾル感染を予防する
・目からの花粉の侵入を軽減させる、花粉症の目の症状を抑える
・新型コロナウイルスは目からも感染するため、リスクを減らせる
・花粉・ウイルス・細菌がついた手を洗うことで、花粉とコロナどちらにも有効
花粉症に限っては、外出した際に洋服に付着した花粉を払うなど、室内に花粉を持ち込まないようにしましょう。
コロナが流行して2年間、3シーズン目になりますが、耳鼻咽喉科クリニックでは花粉症の患者さんが明らかに減少しています。皆さんがコロナの対策をしっかりされていることで花粉の被曝量も減らせたことが要因でしょう。このことからも、新型コロナウイルス感染症予防が花粉症予防に繋がることがわかります。
教えてくれたのは
出典: 美人百花.com
「たかまつ耳鼻咽喉科クリニック」院長 高松俊輔(たかまつしゅんすけ)先生
国立山梨医科大学(現山梨大学)卒業。東京大学耳鼻咽喉科学教室入局。同病院にて研修後、国立東靜病院、都立府中病院、都立神経病院、社会保険中央総合病院など経て文部科学教官助手として東大病院に赴任。同病院では一般外来の他、鼻の専門外来、レーザー治療、顔面神経の専門外来を担当。診察、手術、研究、後進の指導に従事。医療法人社団「翔和仁誠会」理事長。東京・神奈川に耳鼻咽喉科を中心に15クリニックを運営している。
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