近ごろ人気のクラフトビール。種類がたくさんあってどれを飲んだらいいかわからないあなた。動物たちのかわいいイラストの”ラベル買い”をしてみませんか? 今回は、秩父麦酒(埼玉県)のシロクマラベルをご紹介します。すてきなクマさんとクラフトビールの森へ入ってみましょう。

埼玉県の秩父麦酒の人気定番ビール「ペールエール華熊」「ウィートセゾン雪熊」。

秩父にシロクマラベルのビールができたわけ

秩父麦酒は、埼玉県秩父市に2017年に生まれたクラフトビールです。
北は群馬県、西は長野県に接する広い山の広がる秩父ですが、池袋から特急に乗れば1時間半で着きます。秩父と言えば、近ごろ、秩父神社がパワースポットとして人気を集めていますね。合格祈願、必勝祈願、商売繁盛と御利益の多い神社です。そんな秩父は日本酒やイチローズモルトというウイスキーでも知られた酒の町ですが、シロクマラベルのクラフトビールも注目です。
なぜシロクマなのでしょうか?
理由は秩父麦酒醸造所の代表、丹広大さんが「クマさん」だから。

「クマさん」の愛称がピッタリの秩父麦酒醸造所の代表、丹広大さん。

がっちりした体、格闘技で鍛えた足腰。「骨格がクマに近い」のだそうです。北海道出身で、秩父には2014年に引っ越してきましたが、「北海道にいたころからクマさんと呼ばれていました」と丹さんは話します。

そこでラベルはクマをモチーフにすることになりました。が、北海道にいるのはシロクマではなくヒグマです。また、秩父の山にもクマはいますが、本州に棲んでいるのはツキノワグマです。なぜシロクマに? 

「ふだんからビールをグイグイ飲むビールファンだけでなく、ふだんはあまり飲まない人や、ビールの苦みがちょっと苦手な女性にも手に取ってもらえるビールをめざしているので」

そこで選ばれたのがシロクマです。「ビールの泡のイメージはシロクマ」ということもあるそうです。

シロクマは「ホッキョクグマ」と呼ばれ、北極周辺に生息しているクマです。なぜ白いのか? というと、ふつうほ乳類の体毛は光を通さないのですが、シロクマの毛は光を通します。1本1本、内部がストローのように空洞なので、光が乱反射して白く見えるということです。氷上では保護色となり、獲物を捕まえやすくなりますね。大きさはヒグマより大きくて、成長したオスの体重は平均して400〜600kgにもなります。北極圏に棲んでいるのでビールは飲まないと思いますが、もし飲むとしたら何リットルくらい飲めるでしょうか。

シロクマラベルを前にゆるゆる飲みたい

では、秩父麦酒のおすすめのビールをご紹介していきます。

「雪熊」は小麦麦芽を使ったフルーティで、スパイシーなさわやかな味わい。シロクマと「今日もおつかれさま」で乾杯したい1本。

ペールエールの「華熊」は色も風味もやさしいペールエール。シロクマと「いただきます!」と、食事しながら飲みたい1本。

限定ビールの「樽熊」は木の樽で長期間熟成させたバレルエイジドと呼ばれる、深い熟成感あふれるビール。シロクマと「グッドナイト」までゆるゆる飲みたい1本。

こちらも限定の「ももくまIPA」。桃の香りを感じ、春を感じるフルーティな1本。

上の「ももくまIPA」は長野県長野市の川中島で採れた桃を原料に使っています。桃は皮も果肉も傷つきやすい果物で、せっかく収穫しても3割から4割もが“規格外”になって、正規ルートでは出荷できなくなるそうです。秩父麦酒は、そうした規格外の果物を買い入れて、クラフトビールに使っています。埼玉県北部の美里のブルーベリー、寄居のみかん、地元秩父の柚子やいちご、ぶどう、梅などなどを取り入れビールも、その季節季節で醸造しています。

シロクマのような白い泡、季節感あふれる果物の香り。シロクマくんといっしょにゆるゆるお楽しみください。

秩父麦酒のビールが飲める「秩父表参道Lab.」に並んだ歴代のシロクマボトル。秩父神社へ向かう参道にあります。

秩父麦酒醸造所 
https://chichibubeer.shop-pro.jp

文/佐藤恵菜