1970年、日本国内で初のハンバーガーチェーンとして誕生した「ドムドムハンバーガー」。

最盛期には400近い店舗を数えたが、2021年12月現在は27店舗まで数を減らしてしまっている。

それでも未だ根強い人気をほこるドムドムハンバーガーに、とりわけ強烈な特徴を持った店舗が存在していることを皆さんはご存じだろうか。

千葉県野田市にある「野田運河プラザ館店」だ。

店舗名だけ見ると、各段変わったようには見られない。しかし、その住所を見ると、

「千葉県野田市山崎2683-1 霊波之光教会本部内RHKプラザ館 地下1階」

とある。つまり、野田運河プラザ館店は、宗教法人「霊波之光」の教会内部に存在している「宗教施設の地下にあるドムドムハンバーガー」なのだ。

ドムドムハンバーガーがあっても大丈夫なのか

霊波之光は、故・波瀬善雄氏が設立し、1957年に宗教法人の認証を受けている。その本部があるのが、千葉県野田市だ。

本部であれば神聖な場所であるはずだが......そんなところにハンバーガーショップがあって良いものなのか。

2021年12月10日、Jタウンネット編集部は霊波之光の広報部の担当者に話を聞いた。

「正確な年数はわかりませんが、ドムドムハンバーガーさんは大分前から営業されています。特に深い意味があるわけではなく、こちらからお願いをしたら来てくれたんです」(担当者=以下同)

宗教施設の地下にあるドムドムハンバーガーというと、かなり特殊な営業形態を予想してしまうが、そういったわけでもないようだ。店があるのは、本部ビル「RHKプラザ」地下のレストランホールで、これは「デパートにあるフードコートのようなものです」と担当者。

「信仰的に何かを食べちゃいけないわけでもないですし、食べるところがないと皆さんお腹空いちゃいますからね」

場所は特異だけど、お店自体は普通ということなのか。記者も食べに行っても良いものか尋ねると、誰でも利用できるとのこと。

いったい、どんな雰囲気なのだろう。筆者は自分の目で確かめるべく12月17日、霊波之光本部に足を運んだ。

まるで大学のような雰囲気

ドムドムハンバーガーのあるRHKプラザには、信者でなくとも入ることができる。その様子を写真で伝えたいところだが、霊波之光本部内は「御神域」であるため撮影禁止なので、ご了承いただきたい。

参門から入り、私立大学の構内のような清潔感がある石畳の敷地内を右手に進む。すると、RHKプラザ館の前に平屋建ての建物が見えてくる。

この平屋建てが地下にあるレストランホールへの入り口となっている。ここからエスカレーターに乗って地下に入ると大学の食堂のような広い場所に飲食店が3店舗入居するレストランホールに辿りつく。

入って左から、そばやうどん、弁当などを売っている「寿美野屋(すみのや)」、ラーメンや中華丼などを提供する「らーめん小花村(しょうかそん)」、そして1番右にドムドムハンバーガー。

担当者が話していたように、ごく普通のフードコートにドムドムハンバーガーが入っているだけのようにしか見えない。レストランホール全体を見てもテーブル席やソファー席がある一般的なフードコートと変わらない。

筆者はビッグドムチーズのセットを試しに頼んだが、あまりにも館内の様子がなんの変哲もないため、ただドムドムハンバーガーを食べに来ただけの状態になってしまった。

ちなみに参門を入ってから出てくるまで、挨拶以外は勧誘などの声掛けは一切なかった。意外にも気軽に利用できる店舗だった。