最後にMCを引き継いだのは佐々木久美。「こうやってみなさんがずーっとどんなときでも私たちの味方でいてくださって、思いっきり楽しんでくれて、感謝が止まらないんですけど。年末に3年連続で紅白に出場させていただきますし、ありがとうの言葉では足りないくらい感謝の気持ちでいっぱいです。そんなみなさんにもっと恩返しがしたいなって思って、ちょっと発表があります」と、後方のスクリーンに向き直った。

するとVTRで、日向坂46のデビュー以来の映像が流された後に、「日向坂46 3周年MEMORIALLIVE 3回目のひな誕祭開催決定!!」という文字が。毎年デビュー日に合わせて行っているライブだが、今年は3月30・31日に行うことが発表された。しかし発表はこれだけに終わらない。「私たちの口から場所を発表させていただきたいと思います」という前置きに続いて、メンバー全員で「東京ドームー!」と絶叫。この瞬間、客席からは歓喜の声だけではなく、驚きで息を呑む音まで聞こえてくるようだった。

佐々木久美が続ける。「初めて東京ドームでライブをさせていただくってサプライズで知ったのが、2019年のひなクリで、それから延期になってしまって。ずっとおひさまのみなさんが待ってくださってるのに、なかなか叶わなくて、申し訳ない気持ちだったし、だからってどうすることもできなくてもどかしい気持ちでいたんですけど、ついに来年の3月にやらせていただくことになりました」「私たちの口から東京ドームでやるよってみなさんにお知らせできたのが、ほんっとうにうれしいです。私たちが東京ドームでやるグループになれたのかっていうのが、その自覚とか覚悟が、この2年間でつきました。だから最高のひな誕祭にします。みなさん待っててね!」と、メンバーを代表して正直な思いを語った。

そして「ついにあの場所に行けるっていう最高の気持ちで、あの曲を歌いたいと思います!」という曲フリとともに、東京ドームへの思いが込められた「約束の卵」を歌唱。これまでずっとライブの締めに歌ってきた曲を、今度こそ本当に約束を叶えた証として、ファンと分かち合った。

日向坂46の前身のけやき坂46が発足したのは2015年。そして日向坂46としてデビューしたのは2019年。10〜20代のメンバーたちにとっては長い時間をグループに捧げてきたことになる。その彼女たちの最大の夢である東京ドーム公演がこれほど長期間延期されてきたのは、日向坂46が背負った過酷な運命を象徴するとともに、コロナ時代のアーティストたちのリアルな苦悩を現している。  

しかし、夢が遠のいても立ち止まらずに努力し続けてきたからこそ、この期間で佐々木久美の言うように「自信と覚悟」が備わった。日向坂46の東京ドーム公演は、停滞したライブシーンの復活を告げるとともに、彼女たちが本当のトップアイドルになったことを示す場になりそうだ。

※ライブ写真のカメラ:上山陽介

☆セットリスト

OVERTURE
M1.アディショナルタイム
M2.膨大な夢に押し潰されて
M3.ソンナコトナイヨ
M4.アザトカワイイ
M5.好きということは… (24日:どうする?どうする?どうする?)
M6.世界にはThank you!が溢れている (24日:沈黙が愛なら)
M7.この夏をジャムにしよう (24日:Right?)
M8.嘆きのDelete
M9.まさか偶然…
M10.こんなに好きになっちゃっていいの?
M11.川は流れる
M12.ホントの時間
M13.何度でも何度でも
M14.日向坂
M15.My fans
M16.キツネ
M17.ってか
M18.誰よりも高く跳べ
M19.思いがけないダブルレインボー
M20. JOYFUL LOVE

EN1.君しか勝たん
EN2.約束の卵