「Chromebook」は、Googleのサービスを中心に利用しているなら、実に手頃で実用的なパソコンだ。
しかし、いくら安いChromebookでも、お金はかかる。
そこでここでは、手持ちの古いパソコンをChromebookとして再利用する方法を紹介したい。
「CloudReady(クラウドレディ)」というChrome OSのクローンOSを利用すれば、古いパソコンを無料でChromebookとして再生できるのだ。
●古いWindowsパソコンやMacはChromebookとして再利用できる
文部科学省が進めるGIGAスクール構想をきっかけに、思いのほか存在感を高めたのがChromebookだ。
これはGoogleが開発したChrome OSというOSを搭載するコンピュータである。
Chrome OS は、これ自身が軽く、すぐに起動する。ローカルでのデータ保存は最小限で、基本的にはすべてのデータはクラウドに保存されるからだ。
このためセキュリティ的にも安全で安心。
しかも、GmailやGoogleドキュメントなどのGoogleのサービスが標準で利用できて、本体価格も数万円から手に入れることができる。
こうしたメリットが評価されて、生徒ひとり一人に配布する端末としてChromebookを選択する学校が多かったのだろう。
実際にChromebookは、一般ユーザーにも使いやすいコンピュータなのだ。
Googleのサービスを中心に活用しているユーザーなら、特に日常使いで不自由することはない。パソコンが対応していれば、タッチ操作も可能だ。
ただし、数万円とはいえ、お金がかかるのは間違いない。
そこで紹介したいのが、手持ちの古いWindowsパソコンやMacを、Chromebookとして再利用する方法だ。
これならタダでChromebookを手に入れられる。
Chromebookの例。これはACERのCP311-3H-A14Pという端末。価格は4万円くらい。
ChromebookのOSであるChrome OS。これはGoogleが開発したChromebook専用のOSだ。
●Chrome OSのオープンソース版「CloudReady」
Chrome OSはGoogleが開発したOSだが、同時にGoogleはChrome OSのオープンソース版も提供している。
それが「Chromium OS(クロミウム・オーエス)」だ。
そしてこのChromium OSをベースに開発された無料のOSが「CloudReady(クラウドレディ)」である。
Androidアプリが利用できないなどの違いはあるが、基本的な機能はChrome OSと共通である。
開発したのは米国のNeverwareという会社だが、同社は2020年12月にGoogleに買収されている。ただし、同社が開発したCloudReadyは継続して提供され、無料で利用可能だ(無料で利用できるのは個人向けの「CloudReady Home」)。
CloudReady。無料で利用できるChrome OSのオープンソース版である。なお、CloudReadyには「Enterprise」「Education」「Home」の3つのエディションがある。無料で利用できるのは「Home」のみ。
CloudReadyは、次のスペックを持つWindows/Macにインストールできる。Windowsであれば、2007年以降に発売されたパソコンが条件に合致するはずだ。
・64bitのCPU
・2GB以上のメモリ
・16GB以上のストレージ(HDD/SSD)空き容量
なお、CloudReadyのインストール方法は、WindowsとMacで少し異なる。
Windowsの場合は、
NeverwareのWebサイトから「CloudReady USB Maker」というプログラムをダウンロードする。
これは、CloudReadyを対話形式でインストールできるUSBメモリを作成するプログラムだ(8GBもしくは16GBのUSBメモリが必要)。
このプログラムでUSBメモリを作ったら、あとはそのUSBメモリからコンピュータを起動することで、WindowsパソコンにCloudReadyをインストールできる(このため、USBメモリから起動するためにBIOS設定の変更が必要になる)。
一方、Macの場合は、「CloudReady USB Maker」は用意されていない。
このため、手動でインストールする必要がある。
インストールの手順は記事末のリンク先を参照してもらいたい。
インストールは、Windows/Macいずれもそれほど難しくはない。
特にWindowsの場合、インストール用のUSBメモリさえ作成できればあとは簡単だ。
NeverwareのWebサイトでCloudReadyのインストールに必要なファイルを入手できる。
Windowsの場合は、左側の[DOWNLOAD USB MAKER]をクリックして「CloudReady USB Maker」をダウンロードし、インストール用のUSBメモリを作成する。
次は筆者が持っているパナソニックのレッツノート(CF-R8WW1AJR)にCloudReadyをインストールして起動したところだ。
レッツノート(CF-R8WW1AJR)の販売開始日は2009年6月なので、12年以上前の機種ということになるが、特に問題なく起動し、YouTubeやNetflixの動画もほぼ問題なく視聴できている。
12年以上前のパソコンでCloudReadyが利用できるようになった。
カメラがないのでテレビ会議等では使えないが、もう廃棄するしかないと考えていたお気に入りのパソコンが再利用できたのは、個人的にもとてもうれしい。
もしも、手元に古いパソコンがあるなら、ぜひCloudReadyをインストールし、Chromebookとして復活させてみてはいかがだろうか。
・ Neverware
・ Windowsパソコンへのインストール手順
井上健語(フリーランスライター)
しかし、いくら安いChromebookでも、お金はかかる。
そこでここでは、手持ちの古いパソコンをChromebookとして再利用する方法を紹介したい。
「CloudReady(クラウドレディ)」というChrome OSのクローンOSを利用すれば、古いパソコンを無料でChromebookとして再生できるのだ。
●古いWindowsパソコンやMacはChromebookとして再利用できる
文部科学省が進めるGIGAスクール構想をきっかけに、思いのほか存在感を高めたのがChromebookだ。
これはGoogleが開発したChrome OSというOSを搭載するコンピュータである。
Chrome OS は、これ自身が軽く、すぐに起動する。ローカルでのデータ保存は最小限で、基本的にはすべてのデータはクラウドに保存されるからだ。
このためセキュリティ的にも安全で安心。
しかも、GmailやGoogleドキュメントなどのGoogleのサービスが標準で利用できて、本体価格も数万円から手に入れることができる。
こうしたメリットが評価されて、生徒ひとり一人に配布する端末としてChromebookを選択する学校が多かったのだろう。
実際にChromebookは、一般ユーザーにも使いやすいコンピュータなのだ。
Googleのサービスを中心に活用しているユーザーなら、特に日常使いで不自由することはない。パソコンが対応していれば、タッチ操作も可能だ。
ただし、数万円とはいえ、お金がかかるのは間違いない。
そこで紹介したいのが、手持ちの古いWindowsパソコンやMacを、Chromebookとして再利用する方法だ。
これならタダでChromebookを手に入れられる。
Chromebookの例。これはACERのCP311-3H-A14Pという端末。価格は4万円くらい。
ChromebookのOSであるChrome OS。これはGoogleが開発したChromebook専用のOSだ。
●Chrome OSのオープンソース版「CloudReady」
Chrome OSはGoogleが開発したOSだが、同時にGoogleはChrome OSのオープンソース版も提供している。
それが「Chromium OS(クロミウム・オーエス)」だ。
そしてこのChromium OSをベースに開発された無料のOSが「CloudReady(クラウドレディ)」である。
Androidアプリが利用できないなどの違いはあるが、基本的な機能はChrome OSと共通である。
開発したのは米国のNeverwareという会社だが、同社は2020年12月にGoogleに買収されている。ただし、同社が開発したCloudReadyは継続して提供され、無料で利用可能だ(無料で利用できるのは個人向けの「CloudReady Home」)。
CloudReady。無料で利用できるChrome OSのオープンソース版である。なお、CloudReadyには「Enterprise」「Education」「Home」の3つのエディションがある。無料で利用できるのは「Home」のみ。
CloudReadyは、次のスペックを持つWindows/Macにインストールできる。Windowsであれば、2007年以降に発売されたパソコンが条件に合致するはずだ。
・64bitのCPU
・2GB以上のメモリ
・16GB以上のストレージ(HDD/SSD)空き容量
なお、CloudReadyのインストール方法は、WindowsとMacで少し異なる。
Windowsの場合は、
NeverwareのWebサイトから「CloudReady USB Maker」というプログラムをダウンロードする。
これは、CloudReadyを対話形式でインストールできるUSBメモリを作成するプログラムだ(8GBもしくは16GBのUSBメモリが必要)。
このプログラムでUSBメモリを作ったら、あとはそのUSBメモリからコンピュータを起動することで、WindowsパソコンにCloudReadyをインストールできる(このため、USBメモリから起動するためにBIOS設定の変更が必要になる)。
一方、Macの場合は、「CloudReady USB Maker」は用意されていない。
このため、手動でインストールする必要がある。
インストールの手順は記事末のリンク先を参照してもらいたい。
インストールは、Windows/Macいずれもそれほど難しくはない。
特にWindowsの場合、インストール用のUSBメモリさえ作成できればあとは簡単だ。
NeverwareのWebサイトでCloudReadyのインストールに必要なファイルを入手できる。
Windowsの場合は、左側の[DOWNLOAD USB MAKER]をクリックして「CloudReady USB Maker」をダウンロードし、インストール用のUSBメモリを作成する。
次は筆者が持っているパナソニックのレッツノート(CF-R8WW1AJR)にCloudReadyをインストールして起動したところだ。
レッツノート(CF-R8WW1AJR)の販売開始日は2009年6月なので、12年以上前の機種ということになるが、特に問題なく起動し、YouTubeやNetflixの動画もほぼ問題なく視聴できている。
12年以上前のパソコンでCloudReadyが利用できるようになった。
カメラがないのでテレビ会議等では使えないが、もう廃棄するしかないと考えていたお気に入りのパソコンが再利用できたのは、個人的にもとてもうれしい。
もしも、手元に古いパソコンがあるなら、ぜひCloudReadyをインストールし、Chromebookとして復活させてみてはいかがだろうか。
・ Neverware
・ Windowsパソコンへのインストール手順
井上健語(フリーランスライター)