もちもち「寝かせ玄米」の作り方とは?おいしく作るポイントも紹介

もちもちで絶品!「寝かせ玄米」とは?

寝かせ玄米とは、玄米に小豆と塩を混ぜて炊き、そのまま3日ほど保温しておくことでできあがるごはんのこと。市販のレトルト商品は特殊な圧力釜で炊飯していますが、通常の圧力炊飯器や圧力鍋があれば自宅で作ることも可能です。

玄米ごはんは、パサパサ・ボソボソしていて苦手、という方も多いのですが、寝かせ玄米は、長時間保温することでうまみや甘みが増し、もっちりとした食感が楽しめます。また、熟成期間にほんのりと茶色みが増し、小豆の食感や塩味で見た目も味も赤飯のよう。

最近では、レトルトパックの商品が販売されており、コンビニでも入手可能となりましたが、自宅で簡単に作る寝かせ玄米のレシピをご紹介します。

基本の寝かせ玄米の作り方

調理時間:15分(※浸水・炊飯時間、保温時間は含みません)
保存期間:保温ジャーで4日、冷凍保存で1か月

寝かせ玄米は圧力をかけ炊飯し、長時間保温するため、専用の炊飯器が販売されています。しかし、特別な道具がなくても、ご自宅の炊飯器で作ることが可能。冷凍保存ができるので、多めに作るのがおすすめです。そこで、家庭用炊飯器5.5合炊きで作れる最大量である、玄米4合分で作るレシピをご紹介します。

材料(約8人分)

・玄米……4合
・小豆……大さじ4杯
・天然塩……5g
・水……1,000cc(炊飯用)

作り方

1. 玄米と小豆を洗う

大きめのボウルに玄米と小豆を入れ、水で洗います。1回目は表面の汚れを取るようにざっと洗って水を捨てます。玄米は白米に比べて水に浮きやすいので、必要に応じてざるを使うといいでしょう。

2回目は玄米と小豆を拝み洗いします。拝み洗いとは、両掌で玄米をこすり合わせるようにする洗い方。あまり強くこする必要はありませんが、米全体をまんべんなく洗ってください。

2. 泡だて器で玄米を研ぐ

ボウルの玄米を泡だて器を使って研いでいきます。しっかりと研ぐことで、玄米の表面に傷がつき、炊きあがったときにしっとりとした仕上がりになります。研ぎ終わったら、水を変えながら数回洗います。

3. 分量の水と塩を入れて浸水させる

研ぎ水をしっかり切ったあと、ボウルに玄米を戻し炊飯のための分量の水を入れます。

塩を加え、やさしく混ぜて溶かします。数回混ぜたら、8時間~ひと晩放置し浸水させます。

4. 炊飯器で炊く

炊飯器の内釜に材料を入れます。玄米モードのある炊飯器は水の量の目安線があります。寝かせ玄米の材料をすべて入れると目安線よりも少し上になります。

炊飯器は機種によってメニューが違います。「玄米モード」があれば玄米モードで炊飯します。

機種によっては、炊飯前に約1時間40℃で保温し、玄米を活性化させたあとに、炊飯する炊飯器も。このメニューを使えば通常の玄米炊飯よりもやわらかく炊きあがります。お使いの炊飯器のメニューを確認しつつ、適切なメニューで炊飯してください。

5. 一日1回混ぜながら保温

炊飯が完了したら、天地を返すように底からしっかりと起こして混ぜます。

混ぜ終わったら、まん中にごはんを盛るように整えます。炊飯釜に直接触れる部分を減らすことで乾燥を防ぎ、ふっくらと仕上がります。

一日1回混ぜながら保温をし3日で完成です。できあがりの目安は、食感がお好みの状態になっているか、玄米が炊飯直後よりも赤茶色が濃くなりつやが出ているかなどです。

おいしく作るポイント

浸水をしっかりと

玄米をしっかりと研ぐと、表面を覆っている糠の部分に傷がついて吸水しやすくなります。表面の傷から米の内部に浸水し、炊き上がりがふっくらする効果が期待できるため、もみ洗いだけでなく表面を傷つけるように強めに研いでください。

保存方法

寝かせ玄米は炊いてから4日めまでに食べ切りましょう。保温中は必ず一日1回は天地を返すように混ぜるようにします。

5日以上保存したい場合は、冷凍保存がおすすめ。熱いままラップで包み、粗熱が取れたら保存袋に入れて冷凍庫に入れます。保存期間の目安は白米のごはんと同じ1か月です。

寝かせ玄米を作るときの注意点

玄米炊飯が可能か + 炊飯容量を確認

炊飯器は機種によって炊飯モードが違います。まず、玄米炊飯ができるかどうか、玄米の炊飯ができる場合最大量の確認をしましょう。

塩分を含むごはんの保温ができるか

一般的にフッ素加工(テフロン加工)の内釜は、塩分に弱いといわれています。炊飯器の機種によっては、塩分を含む炊き込みごはんの保温を推奨しないメーカーも。

寝かせ玄米の工程では、塩分を含むごはんを約3日保温します。お手持ちの炊飯器や保温器が対応しているかどうかを確認して使用してください。

保温モードの確認

炊飯器には炊飯モードが複数あるように、保温モードも複数設定されている機種があります。保温が高温・低温の2種類ある場合、寝かせ玄米を作る工程では高温モードで保温してください。炊飯器の高め保温は70℃程度、低め保温で60℃くらいです。寝かせ玄米に適した温度は70~74℃ですので、高めのほうがより近い状況を再現できます。

しかし、炊飯器の取扱説明書では、高温かつ長時間の保温を推奨していないものがほとんど。衛生面に注意を払いながら、作ってください。

材料と分量の早見表(2合・3合炊き)

寝かせ玄米を作るときの分量は、家庭によってまちまちです。3合炊きでは2合程度、5.5合炊きの炊飯器で4合まで炊飯できます。基本レシピでは4合で紹介していますが、2合や3合で炊きたい!という方のために、玄米の量ごとに各材料の分量をご紹介します。

分量は目安です。神経質にならなくても作れます。また、炊飯器の機種、食べる人の好みによるところが大きいので、一度作ってみて好みの水分量を見つけてください。

塩分は入れたほうがやわらかく味もつくので食べやすく仕上がります。また、小豆の代わりに雑穀や黒米を使ったアレンジが可能です。

2合

・玄米……2合
・小豆……大さじ2杯
・天然塩……小さじ1/2杯
・水……500cc

3合

・玄米……3合
・小豆……大さじ3杯
・天然塩……小さじ3/4杯
・水……750cc

炊飯器に玄米モードがあり、内釜に水量の目安線がある場合、目安線の少し上が適量です。

寝かせ玄米の色の変化について

寝かせ玄米は、時間の経過とともに色が濃くなります。これは、メイラード反応によるもの。メイラード反応とは糖とアミノ酸が結び付いて起こる反応で、メラノイジンという色素が生成されるため茶色くなります。味噌が茶色くなるのと同じ仕組みです。

筆者が作った寝かせ玄米は36時間以降は、色の変化は少なくなりました。寝かせ玄米で色が濃くなるのは、腐敗や乾燥によるものではないので、安心して食べてください。

圧力鍋で作る寝かせ玄米

寝かせ玄米は圧力鍋でも炊飯可能。圧力鍋を使えば、炊飯器より短時間で、やわらかくもっちりと炊くことができます。浸水時間も1時間と短めでいいので、時短調理をしたい方にはおすすめです。

圧力をかける時間は取扱説明書で確認し、火を消して自然に圧力が抜けるまでそのまま置き(蒸らし)、圧力が抜けたらふたを開けてください。あとは同様に保温ジャーや炊飯器に移し、保温と天地返しをすればOKです。

手軽に寝かせ玄米ライフをスタート♪

寝かせ玄米の小豆や水の分量はあくまでも目安なので、お好みで多い・少ないなど調節してみてくださいね。 また、小豆を黒豆にしたり、雑穀を加えたりといったアレンジをすると飽きることなく食べられます。

食べづらい玄米のイメージをくつがえしてくれるもちもち食感の寝かせ玄米を、楽しんでください。