ベルギー代表の至宝が“中国での2年間”を振り返った。いまやアトレティコ・マドリーで押しも押されもしない主軸として君臨するMF、ヤニック・カラスコである。
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 28歳になったアタッカーは今回、スペイン全国紙『El Mundo』のスペシャルインタビューに登場。紆余曲折のキャリアを紐解くなかで、インタビュアーが中国での日々に切り込んだ。

 カラスコは25歳だった2018年1月から丸2年間、中国超級リーグの大連一方(現・大連PFC)でプレー。移籍金が3000万ユーロ(約37億5000万円)で、年俸は1000万ユーロ(約12億5000万円)という破格の待遇だ。記者に「いまだ謎に包まれているね。いったいなぜ君はあのとき、中国に行ったんだい?」と問われると、カラスコは次のように返答している。

「僕のキャリアにおける個人的な選択、としか言いようがないな。ワールドカップ(ロシア大会)を控えたタイミングで、僕は苦しんでいた。大会に向けて良い準備をしたいと考え、かつ、人間としても経験を積みたいという想いがあったんだ。結果的に、あの2年間は無駄じゃなかった。だって僕はいまこうしてここ(A・マドリー)に戻ってきたし、リーガ制覇にも貢献したんだからね」

 一方で、中国サッカーのレベルについて訊かれるとトーンが変化する。

「レベルに関して話すのは難しいよ。中国のクラブがアトレティコと試合をしたら、こっちが何対ゼロで勝つのか想像できないほどだ。それだけじゃない。例えば、良いタイミングで動き出してもパスは出てこないよ。しっかり要求しないとダメなんだ。まあ、別世界のフットボールさ。でも、それが僕を成熟させてくれたとも言える。いつもチームにおける重責を背負って闘っていたからね。監督(ディエゴ・シメオネ)も精神的、肉体的に成長した僕を認めたからこそ、呼び戻してくれたんだ」
 
 さらにインタビュアーが「それでもやはり、あのような若い年齢で中国に旅立てば、いろいろと言われるものですよね?」と質問すると、カラスコは「たしかに注目は集めるよね」と認めつつ、「ただそう考えるひとたちには、いつもこう言って理解してもらうんだ。『フットボーラーとしての品質と才能はどこでプレーしたって失われない、持って生まれたものだから』」と続けた。

 中国サッカーに対して手厳しい評価を下しながらも、「僕にとっては貴重な2年間だった」と敬意も忘れなかったカラスコ。今シーズンもラ・リーガにチャンピオンズ・リーグと、目下好調をキープしている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部