テレワークの普及や副業解禁など、この数年で一気に進んだ働き方の多様化。改めて今後のキャリアや自分らしい働き方について、考えるようになった人もいるのではないでしょうか。

今回は、転職を選択肢のひとつとして考えている人のために、パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」が実施した調査結果をご紹介します。

「このままでいいの?」と漠然とした不安を抱えている人も多いよう。

「35歳転職限界説」はもはや過去のこと?

35歳を過ぎると転職難易度が高くなる「35歳転職限界説」を聞いたことがある人もいるのでは?ポテンシャルを期待される20代の頃と違って、30代での転職は難しそうと諦めている人もいるかもしれません。また、30代になると、今までの経験をもとに同業種に転職するしか選択肢がないのではと思っていませんか。

実際は、幅広い年代の人が異業種に転職しているようです。

年代ごとで見る異業種転職者の割合(※1)を見ると、全年代で「異業種からの転職」の割合は60%を超えていることがわかります、最も高いのは24歳以下の72.8%ですが、最も割合が低い35〜39歳でも64.3%。また40歳以上では、65.9%と割合が高まっています。この7年近くで、幅広い年代において異業種転職の割合は高まっているとのことです。

どの年代でも、異業種転職は高い割合を占めていることがわかります。

年齢を理由に、転職を諦める必要はないことがわかりますね。

「異業種転職」「異職種転職」の実態

続いて、今の仕事とは違う業界や職種に転職している人たちの傾向を見てみましょう。

コロナ禍前で転職求人倍率の平均が最も高かった2016年度と、コロナ禍の2020年度を比較・分析した「異業種転職」「異職種転職」の実態とその結果(※2)を紹介します。

【異業種転職】
2016年度から2020年度にかけて、異業種からの転職受け入れ率が上昇した業界は、1位「IT/通信」、次いで「金融」、「メディカル」の順でした。1位の主な要因は、企業側の採用意向が旺盛であること、個人側でも成長性の高い「IT/通信」でスキルを形成したいというニーズが高まっていることが挙げられます。

【異職種転職】
2016年度から2020年度にかけて、異職種からの転職受け入れ率が上昇した職種は、1位「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」、次いで「技術系(IT/通信)」。1位の背景には、同職種転職が少なく、事業会社経験者など未経験でも即戦力となる人材を積極採用している職種であることが挙げられます。

「事務/アシスタント系」からの転身に人気の職種は?

ここからは女性にフォーカスして、読者に人気の「事務/アシスタント系」からの転職について見ていきます。

「事務/アシスタント系」から「企画/管理系」に転身する人の割合が高まっています!

【「事務/アシスタント系」職種から異職種への転職】
異職種転職は、1位「企画/管理系」、次いで「営業系」、「販売/サービス系」。1位の考えられる要因のひとつは、コロナ禍で休業の影響を受けた人が多かったこと、在宅ワークなども増え、これまであまり深く考えることがなかった「今後のキャリア」について考える人が増えたことが挙げられます。「事務/アシスタント系」は、高い専門性や特定のスキルが求められることが多くない仕事。将来への漠然とした不安から、何かしらの専門性がほしいと考える人が少なくないようです。

そのため、「事務/アシスタント系」から転身しやすく、専門性が高い職種として「企画・管理系」が選ばれる傾向があるといいます。

☆☆☆

情報を知っているか、知らないかは大きな差になります。転職市場の動向を知ることができれば、有利に効率良く、転職活動を進められそうですね。新しいチャレンジをしてみたいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

【調査概要】
※1
2020年7月〜2021年6月末までの間に、dodaエージェントサービスを利用して転職した方から約30,000人を対象に調査を実施。
※2
コロナ禍前で転職求人倍率の平均が最も高かった2016年度と、コロナ禍の2020年度に転職サービス「doda」を利用して転職した約40,000人を対象に実施。