お腹をブラッシングするとくすぐったそうに前足を動かす子亀がTwitterに投稿され、その愛らしい仕草が注目を集めている。

甲羅磨きをしてもらっているのは、生後2ヵ月の子亀。アオウミガメをはじめとする海洋生物の保護や調査研究を行っている小笠原海洋センターで暮らしている。歯ブラシを縦や横に動かすと、前足をパタパタ。鳥が羽ばたくように大きく元気よく動かす。さらに、首や後ろ足を左右にくねらせる動きも加わり、こそばゆさに悶えているような愛らしさあふれる仕草となっている。

この様子には、可愛くて癒されるという声が殺到。「くすぐったいよーってめっちゃ聞こえてきます」「気持ち良さそう」「うちの二歳児もこんな感じ」「元気に大きくなって欲しい」といったコメントも寄せられ、大きな反響となっている。

子亀が見せているのはどういう反応なのか。同センターを運営する認定NPO法人エバーラスティング・ネイチャーに聞いたところ、人間の言葉にすると「くすぐったい」という表現ではないかと回答。ただ、実際のところは「カメのみぞ知る」とユーモアを交えて話してくれた。

この子亀は、対岸の大村海岸で産卵され、同センターのふ化場でふ化した子。甲羅磨きは、自然界では岩に擦り付けたり魚がクリーニングしたりするため必要ないが、ここでは飼育スタッフが歯ブラシやスポンジで行っているという。1〜2週間に1回、お腹だけではなく背中の甲羅やヒレなども含めた全身を奇麗にしているそうだ。

また、同センターでは基本的に、ふ化した子亀はすぐに放流している。この子亀は、身体を大きくしてから放流する短期育成放流事業を行っているため、海に出るのは来年の3月以降になるという。

小笠原海洋センターは、新型コロナウイルスの感染防止対策を施しながら通常営業中。展示館内や水槽を無料で見学することができる。