オンロード志向のスタイリングを施した「ローデスト」は、力強さを強調したルックス。三菱自動車の誇るハイパーカー「ランエボ(ランサーエボリューション)」譲りのジェットファイターグリルを採用した過激なフロントフェイスを採用した。



PHEV初搭載のアウトランダーはくじら顔!?
 

グローバルモデルで3代目(国内は2代目)となるアウトランダーは2012年10月に登場。エッジの利いたソリッドな面構成のエクステリアデザインを採用した先代から大きく方向転換を図り、イメージを一新。大海原から“しろながすくじら”が悠然と(?)ジャンプする当時のテレビコマーシャルの映像がじつになじむ、雄大さが特徴のエクステリアデザイン。

同年12月にはプラグインハイブリッド(PHEV)モデルを初投入したことでも大いに話題となった。
ちなみにこのモデルは2011年の東京モーターショーで、環境対応SUVのコンセプトカー「Concept PX-MiEVII」として出展(世界初披露)したものが、ほぼそのままのイメージで登場した。
 
Leading the New Stage(=SUVを新たな次元へと導く)をテーマに開発され、走行性能や先進安全運転装備や高性能な4WDシステムなどを継承しながらアップデートを図った。
 
デザイン面では、フロントグリルからヘッドライト、リヤコンビランプからリヤガーニッシュまで“一文字グラフィック”によるワイドで安定感のあるフロント/リヤデザインや、サイドの伸びやかなキャラクターラインによって実際のボディサイズ以上の存在感を演出する。
 
これまでの無機質なイメージから、生きているような有機的デザインへと転換を図った意欲作だ。
 
が、押し出しの強いほかの三菱車のデザインと比べて、かなり落ち着いたデザインはあまりウケなかったと判断したのか、発売からわずか2年半となる2015年6月に大幅改良を実施。フロントデザインをモデルチェンジ並みに刷新した。
 
マイナーチェンジでダイナミックシールドを採用
 
2015年6月のマイナーチェンジで大幅改良を実施。その半年ほど前の2014年10月のパリモーターショーで「アウトランダーPHEV Concept-S」としてコンセプトカーを出展し、市場に投入されたものだ。

パワートレーンやボディ、シャシーの改良により、静粛性や加速性、操縦安定性、乗り心地、燃費などを向上させたほか、三菱自動車の新たなフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用。パワーやパフォーマンスを表現するセンターのブラック部を左右から包み込むバンパーサイドの造形により、人とクルマを守る機能をダイナミックで力強い形として表現した。
 
現在の三菱車のほとんどの車種で採用するおなじみの顔つきだ。
 


次世代はさらに進んだダイナミックなソース顔に!
 
そしていよいよ今冬に国内投入を予定する第4世代のアウトランダー(国内では3代目)。すでに北米で発売を開始しているが、そのデザインのベースとなったのは、2019年3月のジュネーブ国際モーターショーで世界初披露となったコンセプトカー「エンゲルベルクツアラー(ENGELBERG TOURER)」である。
 
車名はスイスの山間部にある有名なリゾート地に由来し、上質かつ機能的なオールラウンドクロスオーバーSUV。そのコンセプトは、ツインモーター4WDを搭載するPHEVで、どんな気象条件や路面状況でもドライバーが自信を持ってドライブできる高い走行性能と、都市から離れ充電インフラが整っていない場所でも安心できるPHEVならではの長い高速走行距離を併せ持つもの。さらに、多人数乗車と多彩な収納を両立する優れたパッケージングによって「もっと遠くまで行ってみたい、今までよりも一歩先に踏み出してみたい」と言うドライバーの好奇心と探究心をかき立てるものと、当時の説明にある。