エンゼルス・バーチ広報「ベーブ・ルースが成し遂げたことを…」

 エンゼルス・大谷翔平投手は開幕から投打の二刀流選手として大活躍している。そのスゴさを客観的に伝えるのが記録だ。大リーグ球団の記録担当者はどのように見つけてくるのか。エンゼルス広報部のマット・バーチさんに記録の見つけ方、“記録オタク”から見た大谷の魅力を語ってもらった。

 今季の二刀流・大谷は記録ラッシュだ。「118年ぶり史上3人目の『2番・投手』」に始まり、「本塁打キングの先発登板はベーブ・ルース以来100年ぶり」。29日(日本時間30日)の本拠地・アスレチックス戦では今季15個目の盗塁をマーク。「7月末までの37本塁打15盗塁はメジャー史上初」という深い記録が紹介された。大谷が活躍する度に紹介されるマニアックな記録の数々。バーチさんは米データサイト「ベースボール・リファレンス」や大リーグ公式サイトを使って調べ上げるという。

「多くの場合はベースボール・リファレンスを使います。ほとんどはそこからの情報ですが、大リーグ公式サイトもリソースとして使いますね。最長飛距離の本塁打や打球速度といったスタットキャスト関係の情報が豊富なので」

 ベースボール・リファレンスは1901年まで遡って調べることができる。二刀流・大谷の比較対象選手は少なく、1世紀以上離れた記録を掘り起こしていることも多々あるが、「難しいわけでもない」という。むしろ“記録マニア”としてはワクワクさせられるという。

マニアックな記録探しを「本当に楽しんでいます」

「本当に楽しんでいます。私は常に先を見越すように努めています。『今日オオタニは何をやってくれるのだろうか』と考えるようにしています」

「彼は非常に特別な選手です。毎日メディアが彼に注目する光景は素晴らしいですね。敵地で試合をすれば、彼の姿を見て、どれだけ興奮に包まれているか見て取れます。我々は今、100年前にベーブ・ルースのようなレジェンドが成し遂げたことを目にしているのです。特別なことを彼はしていると感じます」

 ラスベガス出身のバーチさんは31歳。リトルリーガーとしては「全くダメ」で、高校では記録係を担当。「野球自体は好きでスタッツを楽しんでいた。常に野球が身の回りにあった」という。大学卒業後の2012年からエンゼルスの球団職員に。エンゼルス選手の記録を探すことに充実を感じている。

「トラウトのほとんど全てのキャリアを近くで見るチャンスがありました。今はショウヘイもいます。彼らはともに特別な選手です。2人とも、史上最高レベルの選手になる可能性を持っていると思っています」。選手のスゴさを伝えるべく、これからもマニアックな記録を見つけていくつもりだ。(小谷真弥 / Masaya Kotani)