「栗林がゼロに抑えたことが勝ちに繋がったと思います」

■日本 7ー6 米国(2日・ノックアウトステージ・横浜)

 東京五輪の野球日本代表「侍ジャパン」は2日、米国代表と準々決勝を戦い、7-6で逆転サヨナラ勝ちした。延長タイブレークの末に、甲斐拓也捕手(ソフトバンク)が右翼フェンス直撃のサヨナラ打を放って劇的な幕切れに。4日に行われる準決勝は韓国代表との日韓戦となった。

 劇的な幕切れは延長10回に訪れた。同点でのタイブレーク。侍ジャパンは無死一、二塁から代打の栗原陵矢捕手(ソフトバンク)がバントを決めて走者を進め、1死二、三塁に。このチャンスで甲斐拓也捕手(ソフトバンク)が内野5人シフトを破る右翼フェンス直撃の適時打。これがサヨナラの一打となり、劇的な結末を呼んだ。

 試合を決める一打を放った甲斐だったが、試合後のテレビインタビューでは、1人の勝利の立役者の名前を挙げた。それが延長10回にマウンドに上がった守護神の栗林良吏投手(広島)だった。

 栗林は無死一、二塁から始まるタイブレークで行われる延長10回にマウンドへ。先頭のフレイジャーを空振り三振に切ってとると、続くフィリアも二ゴロに打ち取った。2死一、三塁で迎えたコロスバリーも2ボール1ストライクから左飛に。1点は仕方のない状況での登板にもかかわらず、強心臓ぶりを発揮して無失点に封じ、侍ジャパンに流れを呼んできた。

 10回に栗林をリードしていた甲斐は「栗林がああいった結果で、ゼロに抑えたことが勝ちに繋がったと思います。栗林が初球から自分のボールを投げてきて、良い球を投げた結果、本当にナイスピッチングだな、と思います」と絶賛。「全員が諦めずに戦った結果だというふうに思います」とチーム一丸で掴んだ勝利だと語った。

 苦しみながらも、準決勝に駒を進めた侍ジャパン。甲斐は「まだ3試合終わっただけで、まだ試合はあるので。金メダルを取るためにやっているので、毎日が切り替えだと思います。今日は今日で切り替えてやっていきたい」と気を引き締める。宿敵・韓国との対戦に向けて「勝つこと。そのためにやりますし、良い形で入れるようにやっていきます」と意気込んでいた。(Full-Count編集部)