他の人と同じが嫌ならマイナー車に注目!

 人気の車種は、それだけに販売台数も多く、同じクルマが街に、近所に溢れていたりする。ユーザーの中には、人とはなるべく被りたくない、あまり売れていない、乗っているだけで個性が光るクルマを所有したい……、という考えの人もいるはずだ。ただし、マイナーなクルマでも、運転にコツがいる、マニアックすぎて運転がしにくいのは困る、と思うのも当然だ。

 で、運転のしやすさ、乗りやすさ、現代的な装備、安全機能をしっかりと備えた上で、マイナーなクルマはないかと探してみると、国産車では意外に少ないことが分かる。個性的すぎて売れないクルマは、すぐに生産中止になってしまう運命だからだ。

 たとえばホンダが西海岸のサーファーをイメージして作った、観音開きドアを採用したスタイリッシュSUVのエレメントは個性的すぎてすぐに消滅。

 また、1998年デビューの日産ティーノは、当時のサニー(懐かしい!!)をベースに前席3人掛けを実現したショーティ&ワイドなボディを持つアイディア満載のクルマだったがこちらも短命だった。

1)光岡バディ

 今、新車で買える、マイナーが故にほかの人と被らないけど、じつはフツーに乗れる国産車の中で、ブームのSUVと言えば、光岡のバディが挙げられる。パッと見、70〜80年代のアメ車、アメリカンSUVを思わせる顔つき、アメ車臭むんむんのホイールなどが特徴で、2021年は50台しか手作り生産されない希少な1台。

 しかし、中身はあのトヨタRAV4。RAV4同様にガソリン、HV、FF、4WDが選べ、乗りやすさ、走破性、装備の充実度、先進運転支援機能など、RAV4となんら変わらない。

 アメリカンSUVのほとんどは大柄だから、運転不慣れな人には薦めにくいが、アメリカンテイストあるクルマに憧れる人に、このバディは乗りこなしやすい相棒となること間違いなしだ。RAV4に試乗して運転感覚に問題なければ、バディの運転もOKということである。

 そしておそらく、街で、近所で同じクルマを見かけることはまずないと思える。ちなみに光岡自動車には、日産マーチベース、マツダ・ロードスターなどをベース車にしたオシャレでレアなクルマが多数、揃っている。

ちょっと珍しいクルマなら輸入車であれば選び放題

2)シトロエン・ベルランゴ

 なにも、そこまでレアじゃなくてもいい、というなら、輸入車狙いである。それも、両側スライドドアのユーティリティカーが欲しいなら、シトロエン・ベルランゴで決まりだろう。

 このタイプのフランスの”働くクルマ”では、最終モデルが即完売、新型待ちのルノー・カングーが圧倒人気(日本でも)。そのカングーと同種のフランス車が、シトロエン・ベルランゴやプジョーのリフターだ。

 とりわけベルランゴはクリーンディーゼルエンジンのトルクの豊かさやアップライトな運転視界による走りやすさ、抜群の乗り心地、広大な室内空間など、国産ミニバンから乗り換えても、スライドドアの開閉の重さを除けば大満足必至。

 フランス車にして先進安全装備の充実度も選択のポイントとなるだろう。

3)DS3クロスバック

 マイナーと言っては失礼だが、フランス車のDSも、一般的には誰もが知っているブランドではない、シトロエンから独立したプレミアム路線の自動車メーカー。中でもDS 3 クロスバックは、アバンギャルドを売りにしていたDSならではの独創的なデザイン、そのセンスの良さが素晴らしすぎる1台。

 インパネデザイン、シートデザインだけをとっても、オシャレで超個性的。1.2リッター3気筒ガソリンターボのほか、ピュアEVも用意されているのだから、カーボンニュートラルに向けた先進性も文句なし。

 全長4120×全幅1790×全高1550mmのコンパクトなボディサイズと、SUVならではの高めの着座位置によって、人車一体感ある運転のしやすさ、乗りやすさも抜群と言っていい。

 本革シートを選べばDSのプレミアムで上質な、小さな高級車と呼べる世界観をたっぷりと味わえるはずだ。多分、街で、ご近所で同じ車種、ボディカラーのDS 3 クロスバックと出会うことは、あまりないはずである。

4)三菱デリカD:2

 番外編として、運転のしやすさ、乗りやすさはもう抜群すぎて、静かで乗り心地も良く、使い勝手も文句なし。高齢者のいる家やアウトドア派、ペットとドライブを楽しむ愛犬家にもお薦めできる、しかしめったに見かけない1台が、マイルドハイブリッドの三菱デリカD:2。

 そう、スズキ・ソリオの三菱版OEM車である。パッと見、ソリオと姿、形はまったくいっしょだが、エンブレムはスリーダイヤ。大きなくくりではマイナーモデルとは言えないものの、ソリオじゃないところが、人とは被りにくい1台だ。