(出所:『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』)

親の介護にかかる費用は、親のお金でまかないたいもの。でも、あなたは親の預貯金の額を知っていますか?「親が突然倒れて、入院費を引き出せなかった」「認知症になり、親が亡くなるまで口座が凍結された」というのもよくある話。

親のお金事情は親が元気なうちに知っておくことが肝心です。でも実際には聞きにくい。「そんなときどうする?」のアイデアを、上大岡トメさんのマンガでわかりやすく解説したのが新著『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』。

本稿では、同書から一部を抜粋・編集しお届けします。

親のお金について聞いてみよう





©上大岡トメ・黒田尚子/主婦の友社





©上大岡トメ・黒田尚子/主婦の友社

教えて! 黒田先生

Q.親の資産を子どもが知る必要ってあるの?

A.「親の介護は親のお金で」が大原則。家族全員で共有しましょう。

親の介護にかかる費用は、親のお金でまかなうことが大原則です。なぜなら高齢者の多くは、自分の老後資金の準備ができているからです。2020年の金融広報中央委員会の調査によると、70歳以上の世帯の金融資産保有額は平均2208万円。かなりの額です。

でも、平均額は資産家が引き上げてしまう傾向にあるので中央値(貯蓄額を低い人から高い人へと順番に並べたときにまん中に位置する額)を見てみましょう。それでも1394万円。けっこう安心です。といっても個人差はありますから、親に確認しないことには介護にどの程度お金がかけられるのか、どのランクの施設に入所できるのかもわかりません。

それに、お金の話は親が元気なうちに聞くのがベスト。倒れて入院した病室で、キャッシュカードの暗証番号を聞くのもつらいですし、認知症になると家族であってもお金の出し入れがむずかしくなります。きょうだい間でのモメごとを未然に防ぐためにも、親の資産を共有しておくことをおすすめします。


©上大岡トメ・黒田尚子/主婦の友社

Q.どうやったらモメずに話し合える?

A.親の性格によってアプローチ方法を検討すべし!

そうはいっても「お金いくら持っているの?」とは聞きにくいものです。私たち世代は特に、親子でお金の話をすることに慣れていません。「お金の話なんて、はしたない」という文化もあります。


親だって「子どもにお金のことを知られたくない」と考える人もいるでしょう。「自分の貯蓄額を伝えたとき、子どもの目が輝くのもガッカリされるのもイヤ」と言う人がいましたが、その気持ちもわかります。いきなり本丸に攻め込むのは避けたほうがいいでしょう。

親のタイプによってアプローチを変えつつ、「私の友達のママが救急搬送されたんだけど、お金がおろせなくて困ったんだって」などの実例を交えて、危機感を持ってもらいましょう。


©上大岡トメ・黒田尚子/主婦の友社