タレントの杉本彩が理事長を務める動物保護団体「Eva」が、北海道帯広市に対し、ばんえい競馬廃止の要望書を提出し、ばんえいファンの間で物議を醸している。

 「Eva」は5月31日、公式ツイッターとホームページ上で要望書を提出したことを報告。きっかけとなったのは、今年4月に行われた帯広市主催の「ばんえい競馬」で上り坂で立てなくなり、地面に顔をこすりつけてしまった馬に対し、騎手がその顔を2度蹴ったという騒動。大きな波紋を広げていた。

 「Eva」は要望書の中でこの騒動に触れ、「動物の愛護及び管理に関する法律」に該当する犯罪行為だと指摘。また、そもそもばんえい競馬について、「馬にとって非常に過酷で苦痛を伴う競技」とし、「動物福祉という世界の潮流に反し、動物に苦痛やストレスなど多大な負担を強いるこのばんえい競馬の廃止を決断し、ばん馬を廃馬にすることなく余生を全うさせる手段を検討していただきたく」と求めていた。

 しかし、この要望について、ばんえい競馬ファンからは苦言が殺到。ネット上では「馬やばんえいで働いている人たちはどこに行くのか」「今いる馬はどうなる?」「ばんえい競馬を廃止した場合、ばん馬は食肉になるだけ」といった声が見られていた。

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 また、今年4月にばん馬を蹴った騎手については、市が戒告処分を下していたが、ネットからは「砂で窒息しないように仕方のないことだった」「窒息させないために蹴って頭を上げさせた」といった指摘も。そのため、今回のばんえい競馬廃止要望にこの騒動が持ち出されたことについて、SNSには「あれは虐待じゃない」「蹴らなかったら馬は命を落としてたかもしれないのにそれでも虐待なの?」という声もあった。

 一方、SNSには賛同する声も少なからず集まっている。果たして、ばんえい競馬の今後にこの要望はどう影響するのだろうか――。

記事内の引用について
公益財団法人動物環境・福祉協会Eva公式ホームページより https://www.eva.or.jp/