【ソウル、ヨハネスブルク聯合ニュース】韓国外交部によると、5月31日午後7時半ごろ(現地時間)、西アフリカのベナン近海で韓国人船長ら36人が乗ったマグロ漁船が海賊の襲撃を受け、船長と韓国人船員3人、フィリピン人船員1人の計5人が拉致された。

 海事リスクコンサルタントの英ドライアドグローバルは同日にウェブサイトで、漁船「アイリスS」が襲撃を受けたと伝えた。ベナンのコトヌー港から約200キロの海上にいたところ、武装集団が快速ボート2隻で接近。乗組員の持ち物を強奪し、韓国人4人とフィリピン人1人を連れ去った。

 外交部当局者は「現地の韓国公館、関係当局で動向を綿密に把握、共有する一方で、必要な措置を取る予定だ」と述べた。

 西アフリカのギニア湾では、5月19日にもガーナの首都アクラ東の海上でマグロ漁船「アトランティック・プリンセス」が海賊に襲撃され、韓国人船長と船員の中国人3人、ロシア人1人が拉致されている。

 韓国海洋水産部によると、2020年に海賊に拉致された船舶乗組員は世界全体で135人に上る。このうち130人が西アフリカ海域で発生した事件だった。

 ドライアドグローバルは、今年に入りギニア湾では6件の海賊襲撃があり、61人の乗組員が連れ去られたと伝えた。