馬刺しの自動販売機の売れ行きが好調だ。長野県飯島町の馬刺し専門店「若丸」が、新型コロナウイルス下での非接触、24時間の新たな販売方式として展開している。

 同社は、創業100年以上の食肉販売の老舗。南信州地方の食文化である馬肉を専門に扱う。販路は工場に併設した直売所、インターネット、地域の飲食店などで多くのファンがいる。

 自動販売機は、瞬間冷凍機能を備えた汎用(はんよう)性のあるもの。本社に設置した。商品は「馬刺しヘルシー赤身200グラム」(2500円)、「馬刺しグルメ中霜降り200グラム」(4300円)など5種類。

 販売開始から5月5日までの6日間だけで、前年の直売所の5月1カ月分の売り上げを大きく上回る、約8倍の実績を上げた。

 自動販売機は非対面販売のため、コロナ下では購入側と販売側双方の不安を払拭(ふっしょく)できる。また、24時間365日稼働するため、利便性にもつながっている。

 インターネット上では、「楽天市場」で販売する。ゴールデンウイーク期間中は「自動販売機設置記念セール」として全品ポイント10倍を付加し、PRに努めた。

 同社によると、馬刺しは低カロリー・低脂肪・高タンパクであるため、近年は健康食やダイエット食として需要が高まっている。

 下平泰司社長は「反響は予想以上。自販機では非対面で欲しい時に購入できる。信州の食文化としての馬刺しをより広範囲にPRしていきたい」と語った。