女性であればキム・カーダシアンのような“ボン・キュッ・ボン”のスタイルを夢見たり、男性であればアーノルド・シュワルツェネッガーのような筋肉隆々のボディに憧れる人もいるだろう。また男女問わず若々しい顔をキープしたいという人もいるだろうが、その際に美容整形で使用できない物質を注入してしまうケースが過去にいくつもある。これにより命を落とした実例もある。

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2019年に『The Sun』『LADbible』などが伝えたのは、ロシア在住のキリル・テレシンさん(Kirill Tereshin、当時23)が命の危険にさらされているという話題だ。ボディビルダーでMMA(総合格闘技)ファイターのキリルさんは、米漫画のキャラクター“ポパイ”のような大きな力こぶが印象的で、‟ロシアン・ポパイ”と呼ばれている。

しかし約60センチ(24インチ)もあるキリルさんの二の腕は、「ワセリン(petroleum jelly)」の注入によるものだったことが判明した。石油を精製して作られる白いゼリー状のワセリンは安価だが、人体への注入は非常に危険であり、キリルさんは医師から「腕の異物を全て摘出しないと、腕の切除を迫られるか、死亡することもあるだろう」と警告を受けたという。

そこでキリルさんはまず片腕から損傷した組織を手術により摘出したが、今後も数回の手術が必要で、医師は「キリルさんは異物を注入による副作用について、理解していませんでした。彼の場合はワセリンが腕に留まっている状態でしたが、身体全体に拡散すると腎臓に悪影響を及ぼし最悪の場合、死に至ります」と指摘した。

また2011年11月には、米フロリダ州で医師の資格を持たずにタイヤのパンク修理剤などを体に注入したトランスジェンダーの女が逮捕された。「ボトックス注入」と偽ってタイヤのパンク修理剤、接着剤、セメント、バスルーム用コーキング剤などを調合した物質を体に注入していたが、患者だけでなく自らの尻もそれで大きくして患者の信用を得ていたようだ。しかしある女性が健康被害を訴えたため、2011年11月に助手とともに逮捕。ところが保釈金を支払って自宅に戻ると、2012年に30代の女性のヒップに“異物”を注入して死亡させてしまう。同年7月に過失致死の疑いで訴追となった。

他にも2021年には、ブラジルで3年前に顔に工業用シリコンを注入したトランスジェンダーの30歳の女性が話題になった。ふっくらした女性らしい顔に憧れて違法クリニックで危険を承知のうえで施術を受けたというが、「腫れ上がった顔は元に戻ることはなく、頬は次第に垂れ下がり、周囲からの心無いいじめが始まったのよ」と外見が損なわれただけでなく精神的にも苦痛を受けているそうだ。女性は施術前の顔とまるで別人になってしまい、人々を驚愕させた。

同じく顔の話題では、理想の顔の肉づきを手に入れるため17年間ベビーオイルを顔面に注入してきたメキシコの男性が2014年にニュースになった。施術費用の高さからベビーオイルを代用することを思いつき、長年続けてきた結果、その顔が腫れ上がってしまった。YouTubeチャンネル『El Mañana 360』で公開されたインタビュー映像で、この男性は「他人の目は気にしていません。長年にわたり愚かなことを続けていた自分自身を後悔するだけです。誰も決して私の真似をしないように…」と警鐘を鳴らしている。

画像は『Zprávy stars24.cz 2017年11月12日付「Děsivé! Mladý Rus se zbláznil. Do svalů si vpichuje synthol a riskuje tak život」』『LADbible 2019年11月16日付「Russian ‘Popeye’ Starts Surgery To Remove Three Litres Of Jelly From His Arms」』『HUFFPOST 2013年10月24日付「Oneal Morris Gets 1 Year In Jail For Botched Butt Injections」』『The Sun 2021年4月16日付「AN’T FACE IT Trans woman who injected industrial silicone into her face forced to live with droopy cheeks as she can’t afford £6k op」(Credit: Newsflash)』『Juju Oliveira 2020年8月29日付Instagram「Eu Era Asim」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)