◆ 勝ち投手にならなくて良かった!?

 ロッテの怪物右腕・佐々木朗希投手(19)が16日、ついにベールを脱いだ。本拠地・ZOZOマリンで行われた西武戦に先発登板し、5回を107球、4失点で降板。打線も援護もあり勝ち投手の権利を得ていたが、救援陣がリードを守りきれず、プロ初勝利はお預けとなった。

 16日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説を務めた江本孟紀さんは、佐々木朗のピッチングについて言及。「立ち上がりはストレートでガンガン押して、勝負球でフォークを使っていたが、やっぱりちょっと高い。高低の落差があるので、低めにショートバウンドぐらいの球を投げるとバッターはほとんど振るんじゃないかと思う」と述べ、対応されることも多かったフォークの高さを課題のひとつに挙げた。

 また、同放送に電話解説で出演していた達川光男さんも「若いけどオーラというか、雰囲気を持っている」と評価しつつ、「奥川にしても佐々木にしても、勝利投手の権利をもらいながら勝ち投手になれなかったけど、5回、6回で勝ち投手にならなくて良かった。勝ち投手になるなら、最低でも7回、8回を投げてクローザーに直接繋ぐくらいじゃないと。やっぱり先発完投できるような大きな選手になってもらいたい」とコメント。同日に先発した同期のヤクルト・奥川の名前も挙げ、今後の日本球界を代表するような右腕になる可能性を秘めたふたりにエールを送った。

 また、江本さんは、この試合で西武打線に5つの盗塁を許したことについても触れ、「あれだけ走られるということは、どっかに原因がある。佐々木の場合はセットでも走者がいなくても足を上げて投げるピッチャー。クイックもやっているが、少し遅い。(足の)上げる幅が小さいだけで、タイミングはやっぱり大きい」と指摘。これには、達川さんも「軸足の方まで左足がくるようなスライドステップでは、ちょっと今の野球ではアウトにならない」と同調し、もうひとつの課題にクイックモーションを挙げていた。

 ロッテの井口監督は「いいボールを投げていた」と評価し、「次回もどこかでチャンスを見つけられたら」と、登録抹消を示唆したが、ストレートはほぼ150キロオーバーで、マウンド上での落ち着きも上々。そのポテンシャルを十分に感じさせた令和の怪物は、今後どのような成長を見せていくのか、引き続き注目だ。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』