「どうしても教師になりたい」という夢を諦めることができず37歳で大学に入学した女性が、高校卒業から約30年後に教師として教壇に立ち10年が経った。女性が就職したのはかつて清掃員として働いていた学校で、「夢を追いかけるのに年齢は関係ない。ベストを尽くせば夢は叶う」と多くの人をインスパイアしている。『TODAY』『Tank’s Good News』などが伝えた。

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米テキサス州ブレナム在住のワンダ・スミスさん(Wanda Smith)が地元のブレナム高校を卒業したのは、今から40年前の1981年のことだった。

ワンダさんは当時「大学で勉強し、教師になりたい」と夢見ていたが、母親が病気になり、高校を卒業すると同時に働き始めた。家計を助けて母親の看病をするためだった。

ワンダさんは「私はブレナム独立学区で雇用され、朝6時にはスクールバスのアシスタントとしてバス通学をする子供たちをサポートし、午後3時から11時は学校の清掃員として働きました。母を病院に連れて行かなければならない日は睡眠をとることもままならず、家族のため、そして生きるために働くしかありませんでした」と当時を振り返る。

そんなワンダさんが結婚したのは1990年代後半のことで、2人の男の子に恵まれた。子育てと仕事に追われる中、ワンダさんはどうしても「教師になりたい」という夢を捨てることができず、37歳の時に地元の短期大学に入学。その後サム・ヒューストン州立大学に編入すると、学位を取るために懸命に勉強した。

ワンダさんは「昼間は学校での仕事を続け、夜間は大学に通いました。大学では私にとって子供のような若い人たちと一緒に机を並べ、時には年下の教師の授業を受けました」と語ると、在学中の苦労について次のように明かした。

「卒業するまでには9年を費やしました。その間に大学に入ることを一番喜び、誇りに思ってくれていた母と2人の女きょうだいが亡くなり、姪っ子は私が娘として引き取りました。つらくて何度も学校を辞めようと思いましたが、家族に支えられてなんとか続けることができました。」

こうしてワンダさんは2010年、高校を卒業してから約30年後、40代後半で大学を卒業し、自身が清掃員として勤めていたブレナム小学校の教師として教壇に立つことになった。

教師になって10年が経ち、現在は小学校1年生を受け持つワンダさんは長年の夢が叶ったことについて次のように語っている。

「自分の教室で教師として生徒の前に立つと、『ああ、これこそ私がやりたかったこと。私は夢を実現しているんだ!』と胸が熱くなるのです。子供たちには『学校って素晴らしいところだな。今こそ人生の中で最高の時』と思ってもらいたいのです。そうして学校を大好きになって、毎日私に会いに来てもらいたいのです。」

そんなワンダさんを生徒たちは「ベスト・ティーチャー」「なんでも助けてくれる人」と心から慕っており、ワンダさんは子供たちにこう語っているという。

「何事もベストを尽くし、自分が目指すものに少しでも近づけるよう頑張ろうね!」

画像は『Tank’s Good News 2021年5月13日付「“Be The Best You Can Be”-School Janitor Becomes Teacher At The Same School After Getting Degree」(SCREENSHOT TODAY)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)