牛丼チェーン・松屋が2021年5月4日から販売している「厚切りトンテキ定食」。過去にも販売されていて、その際は一部店舗で「売り切れ」となったほどの人気メニューだが、今年の「トンテキ」は以前よりも豚肉が薄くなっているのではないか、という指摘がツイッター上に相次いでいる。

実際に豚肉の「サイズ変更」はあったのか。松屋を展開する松屋フーズ(東京都武蔵野市)に話を聞いた。

前回ポスターは「厚み」を伝えていたが...

松屋は05年からトン(豚)テキ定食を不定期で販売している。その人気は根強く、14年には生産が追い付かず一部店舗で売り切れとなるほどだった。16年からは、それまで590〜690円(以下、税込み)だった販売価格を730円に。商品名に「厚切り」を冠し、肉のボリューム感を強く押し出すようになった。

21年5月からは、19年以来2年ぶりに「厚切りトンテキ定食」を販売。たまねぎとにんにくを使った「シャリアピンソース」、ウスターソースを使った「トンテキソース」の2種類を注文できる。価格はこれまでと同じ、730円だ。

待ちに待った「トンテキシーズン」の到来。発売が告知された際には、ツイッター上の松屋ファンから「絶対喰うぜ!」「テンション上がる」など期待の声が集まり、発売後に食べたとみられるユーザーからは「ソースめちゃうまでした」「すげぇ美味くてハマってる」などの声が寄せられた。

しかし、「(トンテキが)めっちゃ薄くなってる」「前はもっと厚かった気がする」などの声も出ている。中には、以前発売されていた「厚切りトンテキ定食」とみられる写真と比較し、トンテキが薄くなっていることを指摘する声もあった。

実際に前回(19年)厚切りトンテキ定食が発売された際のポスターと、今回発売時のポスターを並べてみると、前回のポスターではブロックのような肉が箸で持ち上げられ、断面の分厚さが伝わってくる。一方、今回のポスターでは肉の側面が写っていない。

また、前回のポスターには「こちらの商品は、焼き上がりまで少々お時間をいただきます」という注意書きがつけられていたが、今回のポスターでは消えている。

松屋広報の見解は...

松屋のトンテキは、薄くなってしまったのだろうか。21年5月14日、J-CASTニュースが松屋フーズの広報担当者に取材すると「今回のトンテキは以前のトンテキと比べて、(上から見える)面の部分を大きくしました。ただ、厚みは以前よりも薄くしているので、ツイッターなどでは『小さく見えてしまう』といった声が聞かれているのかなと思います」と回答。

また、従来の厚切りトンテキは米国産のロース肉を使用してきたが、今回からはロースの中でも、コクがあり濃厚な味わいが特徴だという「肩ロース」に変更。使う部位をより良いものに変えたことから、値段を730円に据え置いたとした。

なお、前回までポスターに記されていた「焼き上がりまで少々お時間をいただきます」という注意書きが消えたことについては「ほかのメニューとのバランスを考慮して、表記の有無を判断しております。2月から『豚生姜焼定食』を厚切りのお肉に変更していることもあり、今回は(表記を)入れなくても良い、と判断いたしました」と話した。

ツイッター上では「シュリンクフレーション」(ステルス値上げ)にあたるのではないか、という声も聞かれている。これに対し、広報担当者は次のように見解を示した。

「中にはそういう風に感じる方もいらっしゃるかと思いますが、今回のトンテキ定食は(前回発売時から)ブラッシュアップしてご提供させていただいておりますので、そういった意味合い(シュリンクフレーション)はございません。ぜひ、おいしい商品をご賞味いただければと思います」