人類や文明が衰退してしまい、荒廃した世界──SF映画やゲームなどでよく見る舞台設定だ。

かつては人で溢れかえっていたであろう高層ビル群や、忙しなく稼働し続けていた工場などが朽ち果て、植物に覆われている姿を、うら寂しくもどこか美しく感じるという人もいるのではないだろうか。

今回、まさしくそんな雰囲気の廃墟が、リアルに存在しているとツイッターで話題になっている。それが、こちらだ。

うっそうと生い茂る草に、地面に倒れている木の残骸。

どこか人里離れたジャングルのようだが、草木に埋もれるようにして錆びついた階段や橋といった人工物が佇んでいる。そして上空を見上げれば、ほとんど屋根板がはがれてしまっているドーム状の天井が。

うらぶれた人工物と、対照的に伸び伸びと生えている植物のコントラスト。まさに映画やゲームの世界にありそうな廃墟といった感じだ。

こちらの写真に対し、ツイッター上では、

「自然の力と美しさに見とれてしまいました」
「荒廃した人工物が自然に侵食されている風景はとても美しい」
「なかなか味がありますね。映画に出てきそう」
「放棄されたジュラシックパークって感じ」

といった声が寄せられている。

巨大な材木工場だった

話題になっているのは、廃墟を中心に撮影している写真家のtoshibo(@JIYUKENKYU_jp)さんが2021年5月7日に投稿した写真。Jタウンネット記者は11日、本人に詳しい話を聞いた。

toshiboさんによると、こちらの廃墟の写真はコロナ禍で渡航が制限される以前、台湾を訪れた際に撮影したもの。撮影当時の現地は気候の変化が激しく、晴れと豪雨を繰り返していたという。

「現地の友人と連絡を取っていた際に紹介され『此処だけは行っておけ』と念を押された為、むかった事が経緯になります」(toshiboさん)

それにしても、この廃墟はもともとどういった場所だったのだろうか。toshiboさんに聞いてみると、

「巨大な木材工場になります。『写真内に「岩」の様な物が写っているのは何故だろう?』というコメントがあったのですが、これは積み重ねられた木製の板が経年変化を経て岩の様になってしまった物です。放棄されてからの時間の長さを感じました」

とのことだ。

toshiboさんは実際に現地を訪れてみた感想について、

「こちらもコメントにて『実際は写真で見る感じとは違うのでは?』と頂いたのですが、この光景は完全に写真と同じ光景でした。自分が想像していた以上に衝撃的な光景でした。いかんせん、夏場の台湾という事もあって物凄く暑かった為、熱中症気味だった事も覚えています」

と述べた。

ツイッターでの反響について、toshiboさんは、

「様々な方から意見を頂き、どれも多面的で興味深かったのですが、その中に『ある意味では緑の復権だ』というコメントがあったのが印象的でした。たしかに、僕の目線からだと朽ちている様に注視しがちだったと思うのですが、そう言った見方もあるなあ...と少し納得しました。
それと、『〇〇みたいだ』と言うコメントでかなりの割合でゲームのタイトルを上げて頂いたのですが、僕はかなりゲームをやる人間なので、個人的にそう言ったコメントは嬉しかったです笑」

とコメントしている。