現地時間5月7日、浅野拓磨の退団について、パルチザンの会長が口を開いた。

 浅野は2日、度重なる給与未払いや「クラブ側の対応からリスペクトを感じられなくなった」ことを理由に契約を解除したと発表した。しかし、パルチザンのミロラッド・ヴチェリッチ会長は「支払った記録は残っている。彼は今年に入ってから24万ユーロ(約3000万円)を受け取っているはずだ」と主張し、裁判所での決着を望んでいると報じられている。

 そんななか、現地メディア『Alo!』は7日付けで浅野が退団を決意した理由に、「クラブの家賃滞納に耐えかねたことも理由のひとつ」と伝えている。

「イースターに嵐を呼んだ浅野拓磨の行動は、いまだにパルチザンに大きな波紋を広げている。だが、こうした手段に出た決め手は何だったのか。我々の情報源によれば、浅野は家賃の未払いで大家から迫害を受けていたという。他の外国人と同じように、日本人もクラブの支払いのもと、住居を確保していたが、アパートのオーナーがドアに現われ、度々支払いを請求するようになった。そうしてはじめて、浅野はクラブが家賃を滞納していることに気づいたのだ」
 
 この状況にショックを受けた日本人アタッカーは、クラブの関係者に連絡を取り、対応を求めた。しかし、クラブ側は浅野の要求を無視したという。その回数は一度だけではなかったようだ。

 浅野は、契約解除を発表した際、「クラブからのリスペクトが感じられなくなってしまった」と文面に綴っている。同メディアは、「相手の本気度が低いことに起因する不都合を、彼はこれ以上被りたくないと考えたのだろう。彼の国の文化と、そこでの物事の動き方に慣れている人物が、このような手段(契約解除)に出ることを決めたのは、驚くべきことではない」とクラブ側の対応に批判的な見解を示している。

 さらに、「浅野が理由もなく、気まぐれにスーツケースに荷物を詰めて去るような人間ではないことは、母国のコーチの発言からもわかる」と森保一日本代表監督のコメントを引用して紹介した。

 この記事には現地サポーターからも多くのコメントが寄せられた。「パルチザンのサッカー選手にアパートを貸している家主は、未払いに悩んで、ほとんどの場合、裁判所に請求を求めている……。何年も時間がかかるけれど」、「アパートの持ち主を軽んじてるという話は聞いたことがある」、「パルチザンの対応はちょっとひどいな」といった同情の声が多く集まっている。

 2日の契約解除を報告して以降、浅野側からの発表はされていない。今夏の移籍も含め、今後の動向が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部