菅義偉首相が靖国神社で始まった春季例大祭に合わせて「真榊(まさかき)」を奉納したことに、中国は強く反発した。靖国神社に関して中国は何かと反対しており、なかには過激な行動を取る人もいる。中国メディアの騰訊はこのほど、過去に起きた靖国神社放火事件の中国人容疑者の「その後」について紹介する記事を掲載した。

 2011年12月26日に、靖国神社の神門が放火された事件が発生した。中国人容疑者はその日のうちに韓国へ逃亡し、2012年1月8日にはソウルにある日本大使館に火炎瓶を投げ込み逮捕されている。

 記事によると、韓国ではこれらの行為が「義挙」とみなされ、容疑者は「英雄視」されたという。そして容疑者のために強力な弁護団が用意されたというが、最終的に懲役10カ月となり服役したと伝えた。日本は韓国に対して服役後の引き渡しを要求していたが、中国は引き渡さないよう韓国に圧力をかけ、結局政治犯として中国に送還されている。

 その後の中国人容疑者について記事は、「琉球歴史研究会に加入し、日本に関係する歴史資料を調査して、世界に向けた反日活動を展開していた」と伝えた。また、革命前の共産党軍の理念を高揚する目的をもつ「新四軍後代合唱団」の衣装を着て、日本領事館前で歌を歌う、抗議文を書く、スローガンを叫ぶなどの抗議活動も行っていると主張した。

 記事によると、中国国内でもこうした抗議活動に対しては、その愛国心を称賛する賛成意見がある一方で、あまりに偏執的で極端だと批判する声もあると指摘している。記事は、「愛国は理性的であるべきで極端に走るべきではない。同時に自分を更に高めて社会の役に立つ存在となるべきで、そうすることで歴史の繰り返しを防げる」との見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)