インドの病院から1700回分以上の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンを盗んだ人物が、「ごめんなさい、ワクチンだとは知りませんでした」と手書きしたメモとともにそのまま返還するという事態が発生しました。

SORRY! Haryana Thief Returns 1710 Covid Vaccines Stolen Last Night From Jind. Leaves Handwritten Note

https://www.india.com/viral/viral-news-haryana-thief-returns-stolen-vaccines-says-sorry-in-letter-jind-latest-story-4606232/

1,710 doses of Covid vaccine stolen from Jind civil hospital | Hindustan Times

https://www.hindustantimes.com/cities/chandigarh-news/1710-doses-of-covid-vaccine-stolen-from-jind-civil-hospital-101619072808995.html

現地時間の2021年4月21日夜、COVID-19のワクチンである「Covaxin」440回分、「Covishield」1270回分、合わせて1710回分のワクチンがインドのジンド市民病院から盗まれ、病院が現地警察に被害を報告していました。病院関係者は「ワクチンといくつかの重要な書類が盗まれてしまいましたが、そばに置いてあった現金5万ルピー(約7万2000円)やその他の貴重品には手を付けられていませんでした」と話していました。





しかし翌日の昼頃、盗まれたワクチンがそっくりそのまま入ったバッグが警察署前の喫茶店で発見されます。警察によると、喫茶店にいた老人が男からバッグを受け取り、男から「中に食べ物が入っているので警察に渡して」と言われたとのこと。また、バッグにはヒンディー語で「ごめんなさい、コロナウイルスのワクチンが入っていることを知りませんでした」と手書きされたメモも入っていたとのことです。



ジンド市民病院のマンジート・シン医師は「泥棒はワクチンではなく、COVID-19の治療薬であるレムデシビルを盗みに来たのだろう」と話します。現地メディアのHindustan Timesによると、警察は「2人の男が病院に侵入している映像が監視カメラに映っていた」と話しているのことで、今後捜査が進められるものとみられます。

インドではCOVID-19の感染者が1日最大31万件を超えており、ワクチンの需要が急速に高まっています。ジンド病院が位置するハリヤナ州でも、1日の感染者数が9623人、死亡者数が45人と、過去最多を記録しています。

4日で100万人のCOVID-19感染者がインドで報告される事態に、死亡率は20%上昇 - GIGAZINE