4月某日、神戸市内のとある駅でのこと。筆者の目の前を「マキシスカート」と呼ばれる、くるぶしより長いスカートをはいた女性が歩いていました。

【イラスト】日本エレベーター協会は衣類巻き込みの注意喚起を行っている

 下り階段に差し掛かり、裾を持ち上げると思いきや、そのままスカートを引きずりながら下りていくのです。周囲の乗降客は女性の裾を踏まないように歩調を緩め、中には立ち止まる人も。女性はまわりの反応や自身の裾の汚れには気付かない様子で、颯爽と改札へ向かって行きました。

周囲の声「お願いだから裾持って」

 ツイッターで調べると、階段でのロングスカートを巡るエピソードは多数の投稿がありました。中には「マキシスカートだからプリンセスみたいにスカート持ち上げて階段下りた」「裾の長い服は手で持っています」と普段から気を付けている人もいたのですがーー。

〈周囲の声〉

 「お願いだからロングスカートの裾を持って」「裾踏みそうでヒヤッとした」「誰かが裾を踏んだら大惨事になる」「マキシスカートで階段掃除してる人がいた」「雨で濡れた階段なのにスカート引きずってる人が…」「本人が思っているより迷惑かけてる」など。

〈着用する本人の声〉

 「階段で引きずっているの知らなかった」「裾汚れてた」「雨の日の階段にスカートついててびちゃびちゃ」「裾踏んで転びそうになった」「マキシスカートだとかなりの確率で裾踏む」「スカートの裾を踏んで脱げそうになった」「エスカレーターにマキシの裾巻き込まれて引っ張った」など。

協会「裾を引きずって乗り込まないで」

 エレベーターやエスカレーターなど昇降機分野の業界団体、日本エレベーター協会(東京都港区)では、ホームページなどで衣類などの巻き込みに対する注意喚起を行なっています。

 担当者に話を聞くと、ロングスカートなど裾の長い服の巻き込みは実際に発生しているといいます。巻き込まれた場合は、「衣類を引っ張っても抜けないような状態でしたら、非常停止ボタンでエスカレーターを停止いただくことになります」(担当者)。

 裾の長い服でエスカレーターを利用する際の注意点を教えてもらいました。

◆踏段に乗り込む際は、黄色い線の内側に乗る

◆丈の長い衣類を着用の際は、裾を引きずって踏段に乗り込まないよう注意する

◆踏段から降りる際には、コム(降り口のくし状の部分)をまたいで降りる

消費者庁「裾がステップに触れないように」

 消費者庁が2015年7月に発表した「エスカレーターでの事故に御注意ください!」では、「挟む・挟まれる事故の防止」として、「靴やサンダル、衣類の裾などが挟み込まれないよう、黄色い線の内側に立ちましょう。また、乗り降りの際も、衣類の裾がステップに触れないよう注意しましょう」と呼び掛けています。

 消費者庁と独立行政法人国民生活センターが共同で管理運営する「事故情報データバンクシステム」。エスカレーターでの衣類の巻き込み事故を調べると、「コートの裾が巻き込まれた」「スカートが巻き込まれた」「スカートの裾が巻き込まれ汚れた」「スカートが巻き込まれ破れた」などが報告されています。

    ◇

 ロングスカートや裾の長い服で階段やエスカレーターなどを利用するときは、周囲の安全のため、また自身の衣服が汚れないためにも、服の裾を持ち上げる「お姫さまスタイル」で事故を防止したいですね。

(まいどなニュース・金井 かおる)