猫を飼っていないのに部屋に響く猫の鳴き声を聞いた男性が発生源を辿ってみると、なんと壁の中から猫が見つかった。男性は引っ越してきたばかりで、この猫は前の家主が飼っていた猫だった。引っ越し作業中に行方不明になってしまった猫が20日ぶりに見つかり、飼い主は安堵したという。『Manchester Evening News』などが伝えた。

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英ダービーシャー州グロソップのある民家でのこと、“モリー(Molly)”という名の猫を飼っていた家主は引っ越し作業中にモリーが行方不明になってしまったことに気付いた。いなくなった日に食べ物や水を置いておくと減っていたので、家にいることが分かり安堵したという。しかし引っ越しの当日までに捕まえることができず、モリー無しで泣く泣く新しい住居に引っ越したそうだ。

そして新しくこの民家に引っ越してきたグリン・スタフォードさん(Glyn Stafford)は、前の家主から「引っ越し作業中に飼い猫が行方不明になってしまったんです。もし見つけたら連絡をください」と伝えられた。

グリンさんは猫のために牛乳の入ったお皿を毎日用意して猫を見つけようとしたが、この計画はなかなか上手くいかなかった。モリーの飼い主は「グリンさんがドアを開けて荷物を搬入していた時に、外へ逃げてしまったのかもしれない」と肩を落とした。

しかしモリーが行方不明になってから20日間が経った今月14日、自宅にいたグリンさんはキッチンの壁の中から猫の鳴き声がするのを聞いたという。

「鳴き声が聞こえたときは本当に驚きましたよ。すぐに英国動物虐待防止協会(The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、以下RSPCA)に連絡しました。猫を飼っていたことがあったので、すぐにでも助けてあげたいと思いましたね。」

通報を受けて駆けつけたRSPCAのスタッフ、ジェニー・ベセルさん(Jenny Bethel)は壁の中にいるモリーを助けようと試みた。しかしモリーの頭は隙間から出せたものの、完全に救出することはできなかった。

どこからどうやってモリーが壁の隙間に入り込んでしまったのか分からず、頭を抱えたジェニーさんは同州の消防・救助サービスに連絡して応援を要請した。

到着した同サービスのスタッフは、キッチンの上に位置していたシャワールームに移動して床板を取り外した。そして下を覗いてみるとモリーの姿があり、無事に救助したそうだ。

ジェニーさんは「こんな狭い場所にいて、モリーは本当に怖かったでしょうね。モリーは痩せ細っていたので、すぐに地元の動物病院に連れて行きました。幸いにも大きな問題はなく、とにかくエサをあげる必要があると言われました」と発見当時のモリーの様子を明かした。

その後、前の家主と連絡を取って無事にモリーを渡すことができたという。グリンさんは「床板を外すことになってしまいましたが、猫の命には代えられませんよ。20日間も飲まず食わずだったけど、モリーは思いのほか元気そうでよかったです」とコメントしている。

画像は『Manchester Evening News 2021年4月20日付「Family cat rescued from wall cavity of house after being stuck for THREE WEEKS without food or water」(Image: RSPCA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)