東京五輪まで100日を切りました。聖火ランナーが始まった以上、僕は五輪が開催されると思っています。海外からの観客は入れないことになりましたから、あとは国内にいる人が試合会場に行けるのか、あるいは無観客になるのかということの分かれ目だと思います。ただ、アスリートにとって今は困った状態ではないでしょうか。

現在の状況のまま五輪がスタートして、本当に応援してもらえるのでしょうか? いろいろな活動が停止している中、「スポーツだけが特別扱い」ということで非難されるのではないでしょうか。ワクチンがまだ普及していない状況で、出場選手や大会関係者が接種して感染を防ぐことは理解されるのでしょうか。

大会に向けての取り組みが遅れ、大会出場選手を決められないでいるスポーツだってあるのです。今はこの東京五輪に選手生命を賭けて頑張ってきたアスリートたちが「ぜひ開催してほしい」と言えるような雰囲気ではありません。

本当に五輪という祭典を成功させるためには、世間の理解と応援が欠かせません。そういう支援を得られるような状況なのか。これはスポーツ界だけではとうてい解決できる問題ではありません。

行政関係者がどれくらいこの課題について考えているのでしょう。しっかりとした方針と信念を持って新型コロナウイルス対策を行わない限り、東京五輪が世界から理解してもらえません。

早くそういう対応を見せてもらいたいと思います。それと同時に、僕たちも気の緩みを引き締め、コロナウイルスに打ち勝っていきましょう。