片胸の発育不良により左右の胸のサイズが違う疾患を持つ、イギリスのサウスヨークシャー・バーンズリー在住のベッカ・ブッチャーさん。彼女は同じ症状に悩む人を勇気付け、疾患の認知度を高めるための活動をしている。

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現在不動産会社に勤めるベッカさんが、この症状に気づいたのは思春期のとき。当時について「daily mail」にこう明かした。

「片側の胸の方が成長していることに気づいて、ブラが必要かもしれないと感じていました。だけどもう片方も同じくらいじゃないと必要ないかなと思っていたのです。そんなとき友人に『片側の胸の方が大きいよね』と言われました」

やがてベッカさんはブラジャーを着用するようになったものの、どちらの胸にも合うものはなかったため、無理矢理小さいサイズに合わせていたという。

「15、16歳のときに医師の診察を受けに行ったら、『普通だから心配しないで。発育が遅いだけだから』と言われたんです。だからある朝起きたら、魔法のように両方とも同じサイズの胸になるのではないかと思っていました」

しかし、徐々に今までのブラジャーが合わなくなり、自分で原因を探るように。そしてポーランド症候群という疾患をネット上で発見した。

ポーランド症候群とは、胸や手指の欠損や、発育不良が見られる先天性欠損症で、症状が起こるのは約3万人に1人。女性よりも男性に多く見られる症状であるため、医師に診断されにくいこともあるという。

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その後ベッカさんは、ようやく専門医にポーランド症候群であると診断され、医師からは無料の豊胸手術を勧められたそう。

「誰も『そのままでいい』と言ってくれませんでした。まるで私が壊れていて、直す必要があるもののように扱われました」
「豊胸手術はしたくありませんでした。医師に『手術はしたくありません。ただなぜ私はこうなのか情報が欲しいです。変えるのではなく、どうやって共に生きるかを知りたいです』と答えました」

ありのままの姿で生きると決めたベッカさんは、今の活動をしようと思った理由をこう説明。

「17、18歳のとき、他にも同じような女の子たちがいるのではないかと思ったのです。もし私が発信すれば、みんな自分だけじゃないと知ることができるんじゃないかって」

こうしてYouTubeに動画を投稿し、勇気をもって発信したことで、同じ症状に悩む人や、同様の子どもを持つ親からたくさんの連絡が来るように。

「同じ症状に悩む多くの女性たちが、胸を見せるのが怖く、恋人がいたことはないと言います。私はいつも『あなたにとって正しい人は、ありのままの姿を愛してくれる』と伝えているんです。もし胸が原因で愛されないのであれば、その人はふさわしくなかったのだと。気持ちよりも胸が気になるような人は、あなたに愛される資格はないんです」

現在恋人と交際中のベッカさんは、交際する前に相手にこの症状について説明。話すことで、初めからありのままを受け入れてくれた人と出会えたと考えているそう。

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今では、同じ症状で苦しむ女性のコミュニティを設立した彼女は、活動を通して自身のメンタルヘルスにもいい影響があったと話す。

「ポーランド症候群は、メンタルヘルスにも影響が出ます。服を着て胸がどう見えるかわからないから、洋服を買うというシンプルなことでも難しいんです。私も幼い頃は、タートルネックを着て隠すようにしていました。だけど今は何を着ても大丈夫だし、幸せです」
「私以外の誰かが胸についてどう思うかなんて関係ないから」

ありのままを愛するベッカさんのポジティブな姿勢に、勇気付けられる人はたくさんいるはず。