「どちらを選んでも失敗にならない」も“打者推し”がやや優勢

 メジャー4年目を迎えたエンゼルス大谷翔平投手が投打に輝きを放っている。4月4日(日本時間5日)に本拠地で行われたホワイトソックス戦では「2番・投手」で渡米後初の投打同時出場を果たすと、第1打席で本塁打を放ち、投げては公式戦自己最速タイの101.1マイル(約162.7キロ)をマーク。メジャーファンの度肝を抜いた。

 では、米メディアは投手と打者、どちらをより高く評価しているのだろうか。米テレビ局「CBSスポーツ」は「投手ショウヘイ・オオタニ、大砲ショウヘイ・オオタニ。あなたが戦力として欲しいのはどちら?」として、同局記者4人の意見を詳しく報じている。

 RJ・アンダーソン記者はやや打者寄り。「どちらを選んでも失敗にはならない」とした上で「どちらかと言えば出場頻度が(投手か打者かを選ぶ時の)大きな要素になり、現時点でのキャリアにおいては打者に分があると思う」と指摘する。

 また、大谷がエンゼルスに入団した当時は「投手としてピカイチ」という評価だったため「これ(打者を選ぶこと)は予想外だ」とも。打者専念なら走力も高いため「外野手として更なる利点を生み出す可能性もある」としている。

 マット・スナイダー記者は、先発投手は「どんな試合でも最も価値のあるポジション」だが、「他のポジションよりもはるかに体を壊しやすい」と説明。「彼のマウンド上での才能に間違いなく惚れ込んではいるものの、攻撃面での莫大な利点がある」と語る。

 大谷はまだ一貫して打席に立っているわけではないが、とてつもないパワーを備え「平均以上の打者である」とし、次のように主張する。「頭に入れておこうではないか。彼には非常に魅力的なスピードも備わっているし、投手を断念した場合、スピードと強肩を組み合わせることで球界屈指の守備力を誇る右翼手になる可能性があるということを。長期的に見れば投手としてよりも右翼手として更に価値がある」。

 一方で「彼が二刀流の道を進み続けることに問題はないと私は思っている。また腕の怪我に苦しめられない限り、私は方針を変えない」とも。右翼手として打者に専念した方が“得策”としながらも投手としての才能も強く買っているようだ。

「驚くほど凄い右翼手になる」との声も

 ディン・ペリー記者は「現状では打者に気持ちが傾く理由がたくさんある」とする。大谷の「パワーを見る限り、打者として伸びると思わせてくれる」とし、大谷のエリート級のスピードは「右翼手としての強みになり得ることを意味する。肩の強さも間違いなくそのポジションで発揮されるだろう」と語る。

 また、投手を続けることで「健康や打者としての貢献度に与える影響が私の頭を悩ませ続けるだろう」とも。「打撃一本でいくならオールスターにも選ばれると思う」と打者・大谷に強い魅力を感じているようだ。

 マイク・アクシサ記者は「一番の才能はどれだけ出場できるかであり、私はオオタニが投手として健康を保てるかどうかに懸念を抱いているため、野手としての彼を推す」と語る。昨年は苦しんだが、2018、19年は「正真正銘インパクトのある打者だった」と評価。「打撃にフルタイムで専念すれば、更に優れた打者になること間違いなしだ。オオタニは素晴らしいアスリートで、とにかく足が速い。あの肩の強さなら、驚くほど凄い右翼手になるだろう。指名打者に追いやる必要はどこにもない」と“右翼・大谷”を強く推している。

 一方で投手・大谷は「非常に興味深く、私としては二刀流がうまくいくことを心から願っている」とも。しかし「将来的な怪我を予測する判断材料は過去に経験した怪我」であるとし「投打両面でこれ程までに才能豊かな選手が二刀流を成功させられないならば、各球団は他の選手で将来的にその道を挑戦しようとさえしないだろう」と語っている。(Full-Count編集部)