たむけんは、3月30日にSNSで「血尿」を報告していたが、「もう大丈夫。庭いじりして、ウオーキングに行こうかと思ったとこ」と話した

「松本さんのあれ……(僕のことだと)バレバレやん(笑)。でも、あそこで僕の名前を出してくれるのは、愛なんで」

 4月1日、朗らかな春の朝。「たむけん」こと、お笑い芸人たむらけんじ(47)は自宅前で、本誌の直撃にこう答えた。

 加藤浩次(51)と吉本興業との「突然の契約終了」が発表されてから1カ月弱ーー。業界で「次に “クビ” になるのは誰か……」と噂が飛び交うなか、3月21日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、松本人志(57)が「次、危ないのは獅子舞芸人のTですよね」と口にしたのだ。

 たむけんは2020年7月から、加藤と同じ「専属エージェント契約」を吉本と結んでいる。

ーーエージェント契約になって、仕事は変わりましたか?

「これまで、自分に入る(ギャラの)額は知ってましたけど、仕事をくださった側が実際にいくら払ったかはわからなかった。だから、テレビ局の人と話していて『そんなに払ってくれてたん?』といったことが何回もあって……。でも、今は全部わかるんです」

ーー現在は、仕事のオファーを自分で把握しているんですね。

「そう。今まで吉本が断わっていたかもしれない『ギャラの安い仕事』も、受けるかどうかを自分で全部決められる。知らないところで、仕事が消えていくこともないです。気持ちよく仕事ができています」

 2019年の「闇営業問題」後に、加藤、たむけんのほかに友近(47)、ハリセンボン・近藤春菜(38)などがこぞってエージェント契約を結んだ。「芸人にプラスしかないから、みんな選んでるんです」という業界関係者の声も聞かれる。

ーーメリットばかりですか?

「契約はそれぞれだから、ほかの人のことは推測だけど、よく書かれる(タレント側の)ギャラの “全取り” みたいな『吉本に損しかない契約』ではないと思う。吉本が営業をかけてくれることもないんですよ。

 向こうから来るオファーから選ぶしかない。出演番組の “時間帯かぶり” も自分たちで調べて、仕事を受けなきゃいけない。“これからの芸人” には、向かない契約だね」

ーーそれでも、エージェント契約を続けていきたい?

「僕はずっと続けていきたいけど……。(吉本から)『もう辞めて』と言われたら、どうしようもないんでしょうね。僕も契約更改がある2021年の秋まで『来年も契約してもらえるのか、“クビ” になるのか』わからないんです」

ーー最悪の場合、フリーに?

「東野(幸治)さんとかが、『俺は吐いた唾を呑めるタイプやから。お前もそうやって(吉本との専属契約に)戻ってええぞ』って言ってくれるんです。ありがたいんですけど……ただ、僕は『会社に不満がある』わけでもないし、呑む唾なんかないんですよ(苦笑)。そう思われるのは、悲しいというか。

 しかも、加藤さんがこういう形で辞められたら、今後は誰もエージェント契約を結ばなくなるでしょ? 吉本はどう思っているんだろうと……」

ーー吉本は好きですか?

「大好きだし、『吉本所属』を名乗れるのは誇りです。僕がずっと “吉本愛” を貫けるように皆さん、お願いします!」

 記者との応答は、30分近くに及んだ。それは「愛」と「不安」の間で揺れる彼の葛藤の表われかーー。

写真・谷本潤一

(週刊FLASH 2021年4月20日号)