木村拓哉と工藤静香の次女・Kokiがネット炎上してしまった。

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 きっかけは、彼女が出演したブランド『VALENTINO(バレンティノ)』の2021年春夏コレクション“ヴァレンティノ コレツィオーネ ミラノ(VALENTINO COLLEZIONE MILANO)”のキャンペーンにおけるイメージ動画。公式HPなどで公開されたその動画では、Koki,が岩に敷いた着物の帯のうえに座ったり、地面にカーペットのように敷かれた着物の帯のようにみえる布の上を、ヒールで歩いてゆくといったシーンが登場する。

 それに対しネット上では、

《日本の文化に敬意がなさすぎる》

 といった批判意見が飛び交い、炎上。日本人の伝統的なアイデンティティでもある着物に対して配慮が足りなかったとの声が多く聞かれた。

『VALENTINO』はすぐに動画を削除し、炎上部分について以下のようなコメントを出した。

《日本の文化に敬意を込めて作成されたもので、日本の文化を冒涜するような意図は全くなく、このシーンで使われた布も、着物の帯ではありませんが、多くの方に不快な思いをさせてしまったこと、深くお詫び申し上げます》

“日本の文化”を世界へ

 あくまで『着物の帯ではない』と否定しているようだが、今回の動画についてさる広告代理店関係者は「むしろ、日本文化へのリスペクトでさえあったんですけどね……」とため息を漏らし、こう続ける。

「実は今回のCM、劇作家の寺山修司さんが監督をつとめた『草迷宮』という映画作品のオマージュなんです。同作品はフランスの映画プロデューサーのピエール・ブロンベルジェが制作したオムニバス映画の一編で、原作は泉鏡花の小説。

 作中では男性が、家の中から外へ、そして砂丘へと駆け出してゆく長い道に、“着物の帯”が敷かれているといったアーティスティックなビジュアルが出てきます。今回のCMもそれになぞらえて作られたかたちで、寺山監督の『草迷宮』がパリ市内の映画館で公開されたように、“日本の文化を世界に向けて”といったイメージで作られたのだそうです」

 また、撮影当日の様子についてもこのように語る。

「もちろん撮影現場では、炎上をしないように細心の注意を払い、線引きをして撮影シーンの詳細について議論したそうですが、まさか布の上を歩くシーンが炎上するとは思わなかった。布を用意した美術スタッフもアートに造形の深い面々で、作家性を追求した結果、今回の炎上に繋がったのかもしれません。実際の映画で日本人監督が撮ったことのある場面ですし、オマージュの気持ちが強かったようです」

Koki,のキャリアに傷がつくのが……

 炎上を受け、「大ごとになるまえに動画を削除した」(同前)というのが真相のようだが、これについて頭を抱えているのがKoki,の母親である工藤静香だ。デビュー時からKoki,のプロデュースに執心していた彼女にとって、今回の炎上は誤算だったという。というのも、

「炎上によりイメージ動画は削除されましたが、すでに画像や動画がネット上に拡散されています。Koki,さんにも“日本人ならこの表現がマズいことくらいわかるはず”といった非難の声すらもあがっています。数年前に、日本の有名女性モデルもファッション誌の撮影で“靴を履いたまま畳の上にあがった写真”が拡散されて“炎上モデル”のイメージがついてしまいましたが、静香さんはそのように娘さんのキャリアに傷がつくことを気にされているみたいです」(芸能プロ関係者)

 海外出身のタレント・フィフィは今回の炎上についてどう考えているのか。

「いわゆるDCブランド(*高級ファッションブランドの総称)は、広告でも大胆な見せ方をするものが多いのですが、日本の伝統的な衣装に対して配慮が足りなかったと思います。ただ、Koki,さん本人が責められるのはおかしいなと。まだ若く、そこまでキャリアを重ねていない彼女が演出にどうこう言える環境にないでしょう。ただ、素材や完成品をチェックする日本側のエージェントは確実にいたはずなので、その方々がなぜ指摘できなかったのかについては疑問ですね。

 たとえば、“この布いいな”と思ってテーブルクロスに使っていたのが、インドなどの地域ではすごく神聖な民族衣装『サリー』だとしたら、知らずに使っていたとしても炎上してしまいますよね。ただ、今回のバレンティノの件に関しては“日本のエージェントは知っていたよね”ということに尽きると思います」

 それにしても、今回の炎上騒ぎがここまで大きくなったのはなぜだろうか。

「謝罪文で“日本の文化に敬意を込めて作成されたもの”などとボカさずに、はじめから『草迷宮』のオマージュだったと宣言したほうがよかったのではないでしょうか。これについては制作スタッフの総意だったわけですし。そもそも、『草迷宮』を意識したならばそれは“帯”と認めるようなものですし、言いづらいのかもしれませんが」(ファッション業界関係者)

 兎角に、ネット時代は生き辛い……。