開幕して2節を消化したJリーグだが、川崎フロンターレとセレッソ大阪の2チームに限っては3試合を消化。3戦全勝の川崎の強さが際立つ格好になっている。

 だが、昨季から大きく戦力をアップさせているわけではない。スタメンクラスの選手で新たに獲得した選手は、ジョアン・シミッチぐらいだ。10番、大島僚太が2月23日の練習で全治3ヶ月の怪我を負っているので、戦力は現状維持か、数%アップがせいぜいに見える。

 鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、名古屋グランパス、ガンバ大阪、FC東京、セレッソ大阪など、川崎を追うチームにとっては、チャンス到来と言いたいところだが、実際に、差(昨季2位との勝ち点差は18)が詰まっている印象はない。この中で戦力を10%以上上げたチームは、木本恭生、長澤和輝、柿谷曜一郎、斎藤学らを移籍で獲得した名古屋グランパスぐらいではないだろうか。

 名古屋と言えば、浦和レッズとともにJリーグ創設当初から、よしにつけ、悪しきにつけ、金満クラブとして知られてきたチームだ。ベンゲル時代など、Jリーグをリードするサッカーをしていた時もあれば、J2に降格するなど、費用対効果に問題ありと言いたくなる時もあった。2年前までは後者だった。

 昨季、監督がマッシモ・フィッカデンティに交代したことを機に、悪い流れを立ちきることができた。2019年シーズンの13位から3位に躍進することになった。今年も開幕2連勝。選手層も厚くなった。よい流れは続いているかに見える。

 だが一方で、フィッカデンティに一抹の不安を覚えることも確かなのだ。 

 川崎の鬼木達監督は交代枠5人制で行われた昨季、どの監督よりその流れに従った。ほぼ毎試合5人交代を行っている。1試合平均=4.91人。4人で終わったケースは34試合中3試合のみだ。対するフィッカデンティは、J1リーグ18チームの監督の中で最もその流れに従わなかった監督だ。1試合平均わずか3.39人に留まっている。

 選手を可能な限り多く使いながら独走で優勝した川崎・鬼木監督と、特定の選手だけで3位に食い込んだ名古屋・フィッカデンティ。この差は大きいと見る。監督としての余裕度、描いている絵、器の大きさは鬼木監督の方が断然、上だ。その年、限りの采配をしたフィッカデンティに対し、鬼木監督は今季に繋がる戦いをした。

 鬼木監督は今季も快調だ。相変わらず5人交代にこだわった戦いをしている。新加入選手である橘田健人、塚川孝輝、遠野大弥を積極的に起用するなど、3試合で15人の交代選手を投入させている。先の仙台戦では、前線からスタメンを6人入れ替えて臨み5-1で大勝。川崎は早くも「チーム一丸」の様相を呈している。

 対するフィッカデンティは2試合で9人。昨季より良好な状態だ。5人に近い数字をこのまま維持できれば、使える選手の数は自ずと増えるわけで、少なくとも来季への期待が高まる。

 昨季、そして今季を見て心配になるのは、清水エスパルスの新監督ミゲル・アンヘル・ロティーナだ。昨季、C大阪監督時代の交代枠使用数は1試合平均4.06人で、全体の15番目。今季も2試合でわずか5人しか変えていない。2016年に来日して5年。その間、評価を上げながらここまできたが、あえて注文をつけるとすれば、この点になる。チームに「体力」が付きにくい采配をする。

 昨季、C大阪の成績は4位。一時は順位を2位まで上げながら後半、順位を落とした。後半戦に限れば負け越し。途中で息切れした印象だった。清水の監督となった今季はどうなのか。同じ道を歩むのか。 そのロティーナに変わって今季、C大阪の監督に就任したレヴィー・クルピも、選手交代5人枠時代にそぐわない采配をしている。これまで3試合ともに3人しか変えていない。C大阪は、昨年と同じパターンをくり返すのではないかと心配になる。